基準を上回る放射性物質が検出された福島、茨城、栃木、群馬の4県のホウレンソウが出荷停止になったのを受け、鹿野道彦農相は22日の閣議後会見で「(福岡や四国などの)他産地からできるだけ供給してもらうように、協力を要請している」と述べた。ホウレンソウ出荷量が全国7位の福岡県でも首都圏向け出荷の検討が始まり、福岡中央卸売市場(福岡市)では値上がり感が漂う。
ホウレンソウの出荷量は群馬県が3位、茨城県が4位で、4県の出荷停止に伴い首都圏ではホウレンソウが品薄状態。政府は、全国のホウレンソウ産地に対し、出荷の前倒しや規格外品の出荷を促すよう全国農業協同組合連合会(JA全農)に要請している。
福岡県産のホウレンソウの主な出荷先は県内や関西方面だが、約6割を販売するJA全農ふくれん(福岡市)は、関西向けの商品の一部を首都圏に回すことを検討。ただ、首都圏では消費者がホウレンソウを敬遠する動きもあるため「全体の需給状況を見ながら判断したい」としている。
福岡中央卸売市場では22日、ホウレンソウが1キロあたり311円で取引され、前週(11-19日)の平均より35円上昇した。
=2011/03/23付 西日本新聞朝刊=