もし、着ぐるみを着て地震にあったら
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山梨市の幼稚園で着ぐるみのお芝
居をしてきた。この辺りは地盤がしっかりしていて地震の影響は少ない場所らしい。
園児たちはとても元気だった。今日は3月生まれのお誕生会。廊下で出会った園児たちが「ワタシ(ボク)、4歳」などと次々に言ってくる。この子たちが大きく成長し、大人になり、子孫を生み、年老いていくまで生きていてほしいと心の底で祈る。
職員室で昼食をいただきながら地震の話になる。70歳を超えたご夫婦だろう。理事長らしきおじいさんと、園長らしきおばあさん。二人が途中、地震になったら外に逃げた方が安全か、園舎にいた方が安全かで討論が始まってしまった
自分一人ではなく、たくさんの園児を預かっている時間は、やはり自分のことより園児のことを一番に思う。
実際の話、お寺で葬儀中に地震が起きたとき、住職さんだけが最後まで残ったということまで出てきた。
今日のメンバーで、当時本番中だった者が二人。一人は音響と照明、一人は演技中。都内の盲学校の体育館で地震は起きた。
視力のない(弱い)生徒たち、その恐怖は何倍か計り知れない。とにかく、生徒が全員部屋から避難するまで待つ。その間、照明押さえる者あり。役者は音のある間は、あの揺れの中芝居をやり続けたと言う。役者とMCを兼ねた子は急いでMCの衣装に着替え、音が止まってから幕前に出たが当然誰もいなかったらしい。
私は、都内のキャンペーンの仕事で、正にあと5分くらいで着ぐるみで出る準備をしていた。中に入る格好は、汗をかいてもいい動きやすいものを着るが、その日はスウェットの上下。パジャマみたいな格好。髪が落ちてきたり汗が目に入らないために手ぬぐいを頭に巻いたり水泳帽を被り、更に首が人間とばれないようにモジモジくんみたいなものを被る。
そのいでたちで表に出るには抵抗があった。
もう3年くらいこの町の薬局のキャラクターとして人気者の着ぐるみ。あの人が入っていたのかとか知られてはいけない。
モジモジと水泳帽をはずし、コートでパジャマを隠してから表に出る。その間の葛藤。
以前も福岡で某テレビの人気キャラで収録直前に地震があって収録中止になった。その時、もしまた地震があったらと話し合った。もちろん子供やお客様優先、次に顔出しの人、着ぐるみは… 私は、不自由な状態のまま自力で人目につかない場所に逃げるのだろうと想定した。
みんな、その時の自分の立場によって優先順位は変わる。職業意識の強い者は心も強いと思う。