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地震の揺れ 地球を約5周する

3月22日 16時35分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東北の太平洋沿岸で起きた巨大地震で、地震の揺れが地球をおよそ5周していたことが、気象庁の観測で分かりました。気象庁は「今回の地震がいかに巨大だったかを物語る観測結果だ」としています。

気象庁は、長野市の地下深くに高感度の地震計を設置し、世界中で起きる地震の揺れを観測しています。この地震計が捉えた今回のマグニチュード9.0の巨大地震の揺れを分析したところ、太平洋沖の震源地からユーラシア大陸側に伝わった地震波と、反対方向のアメリカ大陸側に伝わった地震波が、それぞれ2時間余りの間隔をおいて長野市で再び観測され、その後、揺れは次第に小さくなりながらも、およそ5回にわたって観測されていたことが分かりました。気象庁は、今回の巨大地震の揺れは、地震発生から12時間で地球の表面をおよそ5周したものとみています。これは、去年、南米チリで起きた巨大地震の際の観測結果を上回るもので、気象庁は「今回の地震がいかに巨大なものだったかを物語る観測結果だ」としています。また、地震による揺れが収まったあとも、体で感じることのできないかすかな揺れが地球規模で続いていることも分かりました。これは、地球が1000分の1ミリ単位で伸び縮みする「地球自由振動」という現象で、今後2週間程度続くものとみられるということです。気象庁精密地震観測室の三上直也室長は「地震波が地球を5周もしたことがはっきり読み取れることは、これまでほとんどない。いわば地球全体が震動したような状態で、今回の地震の巨大さが、地球規模の地震観測データでも裏付けられた」と話しています。