2011年3月21日23時10分
東京電力が、管内を5グループに分けて実施している計画停電(輪番停電)で、グループ間で実際に停電した延べ世帯数に2倍超の差が出ている。東電には利用者から「不公平」との苦情も寄せられているが、東電は「次第に回数は均等になる」と説明している。
14〜18日に実施した計画停電では、停電世帯が最も多かったのが「第1グループ」で延べ1207万世帯。最少の「第4グループ」は延べ503万世帯だった。需要が低かった時間帯には停電が見送られるなどした一方で、1日に2度の停電を強いられたグループがあって差が出た。
各グループの世帯数はそれぞれ200万〜305万世帯で、東電は「なるべくならして設定」していた。
また、もともと東京23区の大部分は停電対象からはずされている。不公平感が出ないよう東電は、23区も細かく区分けして計画に組み込めないか検討したようだが、現段階では「技術的に自信が持てない。今の状況を続けるしかない」(藤本孝副社長)という。
東電によると、先週はカスタマーセンターに問い合わせや苦情が1日5万〜6万件寄せられたという。
同じ地域でも日によって停電時間が変わる計画停電には、産業界からも不満の声が上がる。経済同友会は「企業活動への影響が大きい」として、企業側が消費電力を抑える「総量規制」を提案する。しかし、東電は「規制をかけても、削減量を守ってもらえる確証はない」として、実施には否定的だ。(信原一貴)
【被災した方へ】うつ病やパニック障害など心の病を抱えた人は、避難所にいても「知られたくない」と無理をしている場合があります。専門医は「病気のために、作業を手伝うなど周りの雰囲気についてこられない人もいることを理解してほしい」と話しています(15:16)