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東日本大震災:計画停電 混乱相次ぐ 足立区の大型病院、患者の対応に追われ /東京

 東京電力が実施している計画停電で、17日も都内でも混乱が相次いだ。23区内では足立区が区西側の広範囲で停電。停電した地域には大型病院もあり、患者の健康維持のため対応に追われた。また同日には、停電が予定されていた板橋区で急きょ回避される事態もあった。【池田知広】

 足立区西新井本町5の西新井病院(317床)では、連日の停電が続く。17日も早朝と昼下がりの2度にわたり停電。院内は暖房や照明が切られ、薄暗い中でひっそりしていた。同病院には非常用電源があるために重要機器の電源は落ちないが、十分な診療ができないため、停電中は救急患者を受け入れられない。同区も11の医療機関に自家用発電機を貸し出しているが、不足している状況だ。

 安部裕之院長によると、系列の診療所で1日に約90人の患者に人工透析を施しているが、停電中は電力が足りないため、早い時で午前4時から、遅い時で午前2時まで、透析の時間を確保し対応している。安部院長は「足立区の病院は民間が担っているが、これでは来院者も減り、地域ごとの医療に格差が出てしまう。職員も疲弊しているし、しわ寄せが大きすぎる」と、停電が固定化されていることに不満を漏らした。

 板橋区の北西部では同日午後3時20分から停電予定だったが、4分前になって急きょ、東京電力側から区に「回避」の連絡が寄せられた。区は午後2時にホームページで「停電の予定」と呼びかけたが、午後3時20分に「中止」と更新するなど、大わらわの対応となった。

 停電に備え、成増駅前の理髪店を閉めていた従業員の川辺光彦さん(39)は「予約を受けられなかったお客さまに申し訳ない。中途半端ですよ。やるならやってほしい」と憤った。

 本来は24時間営業のスーパーは一時的に閉店し、訪れた男性会社員(42)は「毎日、停電の時間が変わって困る」と困惑していた。

〔都内版〕

毎日新聞 2011年3月18日 地方版

 
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