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大気中核実験

 1950〜1960年代を中心に、非常に多くの核実験(原水爆実験)が大気中で行われました。その際、核爆発によって生じた放射性物質が大量に環境中に放出され、その中でも比較的寿命(半減期約30年)の長い放射性物質であるストロンチウム90やセシウム137が現在でも環境中に存在しています。
 このような核実験で放出された放射性物質は成層圏まで達し、放射性降下物(フォールアウト)として空から落ちてきます。下のグラフは青森市での放射性降下物のうち、ストロンチウム90(Sr-90)とセシウム137(Cs-137)の年間降下量の変化です。

放射性降下物の推移(青森市)


 特に核実験が盛んに行われた1960年代前半には降下量が非常に多くなっていることがわかります。また、1986年に発生したチェルノブイリ原子力発電所事故のときにも、セシウム137の降下量が増えていることが確認できます。現在環境中に存在する放射性ストロンチウム・セシウムは、人為的なことが原因で存在している放射性物質の中でも代表的なものです。

 関連用語解説
  ストロンチウム
  セシウム
  
 外部リンク
  イネにおける放射性核種の分布と土壌からの移行率(環境科学技術研究所)
  セシウムとストロンチウム(環境科学技術研究所)
  植物によるセシウムの取り込み(環境科学技術研究所)
  降水中のトリチウム(環境科学技術研究所)
  人工放射線(あとみん)