どうしんウェブ 北海道新聞

  • PR

  • PR

道内

  • この記事をtwitterでつぶやく
  • この記事をはてなブックマークに追加
  • mixiチェック

道内12市、非常食備蓄なし 毛布や燃料 防寒対策にも課題

(03/22 07:31、03/22 07:42 更新)

 道内35市のうち、約3分の1にあたる滝川などの12市が災害時の非常食を備蓄していないことが21日、北海道新聞の取材で分かった。このうち空知管内の6市は毛布なども含めて全く備蓄がない。東日本大震災では避難所の食料や燃料不足が続いており、寒冷地の道内では、暖房などの防寒対策を踏まえた防災計画の見直しが求められる。

 全く備蓄がないのは滝川、芦別、赤平、三笠、深川、砂川の6市。美唄、名寄、根室、歌志内、富良野、北斗の6市は非常食はないものの、毛布の備蓄はある。

 備蓄がない空知管内の6市は、過去に大災害が起きていないことなどを理由に挙げる。非常食の備えがない12市の多くは、災害時に地元スーパーなどから物資を受ける協定を結んでいるが、歌志内市は「独自の協定はなく、道がコンビニエンスストアや飲料メーカーと結ぶ協定に頼るしかない」状況だ。

 ただ、想定外の被害をもたらした東日本大震災を受けて、芦別市の防災担当者は「厳しい財政事情の中、何をどのぐらい備蓄すればいいのか判断が難しいが、大至急議論しなければならない」。砂川市も「停電で暖房が使えなくなったときにどうするか、大きな問題だ」としている。

 一方、備蓄がある市は、お湯や水で戻すだけで食べられるアルファ米や毛布を保管。しかし、避難施設が停電になると電気を必要とする石油ボイラーなども動かなくなるため、防寒対策が課題になる。

 札幌市危機管理対策室の担当者は「避難所の防寒の不備や燃料不足が報道され、暖房器具や灯油の備蓄も必要だと感じた。ただ、灯油は危険物なので適当な保管場所が見あたらない」と頭を悩ませる。

 燃料備蓄は、暖房器具の一部の燃料を常に満タンにしている帯広市などに限られ、室蘭市や函館市などが地元の石油業組合と協定を結んでいるだけだ。

 留萌市は毛布500枚を備えているが、「冬期間の災害だと、避難者1人につき3枚は必要だろう。全部で千枚ぐらいあった方がいい」とみる。

 地震で最大1万1900人が被災すると予測する旭川市の毛布の備蓄は「財政上の都合と保管場所の問題」で3500枚にとどまる。足りない分は民間から提供を受ける計画だ。

 このほか、「備蓄品をすぐに使えるよう各避難所に分散して保管する必要がある」(北広島市)、「歯ブラシや食器など日用品の備蓄も考えたい」(千歳市)といった課題も浮上している。

 道危機対策課は「民間との協定は一つの方法だが、食料や毛布を被災者に素早く届けるためには自治体がある程度、備蓄しておく必要がある。道としても今回の大震災を検証して、燃料の確保などをあらためて検討したい」としている。

道内記事一覧

22日

21日

20日

北海道新聞・道新スポーツ購読のお申し込み
企画/特集

もっと知りたい

このページの先頭へ