玉袋筋太郎(以下、玉袋)柏崎刈羽原子力発電所に初めて来ましたが、規模と従業員 の方の多さにビックリしました。
横村所長(以下、横村) ここ柏崎刈羽原子力発電所は、柏崎市と刈羽村にまたがる約420万㎡の敷地にあります。ここに7基の原子炉があり、総出力約820万kWを誇る世界最大の原子力発電所です。原子力発電はもともとアメリカからの輸入技術なのですが、より使いやすいように日本流に設計改良し、自主技術として育てるという取り組みを、福島第一原子力発電所、福島第二、そしてこの柏崎刈羽までの全17基で行ってきました。なかでも6、7号機は、日本が主導して開発した最新鋭の原子力プラントとなっています。
水道橋博士(以下、博士)今から3年半前の7月16日、マグニチュード6・8の中越沖地震に見舞われたわけですが、とくに大きな事故がなかったということは特筆すべき点ですよね。
横村 実は耐震基準も日本独自のものでして、日本で原子力発電所を建てる際には、建築基準法で定められた耐震強度の3倍で作ることになっています。実際、こうした基準に沿って作られていた原子炉本体は無傷でした。視察に来たIAEA(国際原子力機関)の方たちも、「あの地震に耐えたのか!?」と驚かれていましたね。とはいえ非常に大きな地震だったことは事実で、耐震設計が不足していた変圧器やタービンは損傷がありましたし、敷地内も地割れや陥没が生じました。