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バーレーン:首都マナマで反体制派への弾圧強まる

 【マナマ鵜塚健】ペルシャ湾岸の小国バーレーンで、政府が反体制派への弾圧を強めている。首都マナマではサウジアラビアなどが政府支援のため派遣した外国兵1500人が各所に展開し、厳戒体制を敷いている。救急病院は、デモに参加し負傷した反体制派を締め出すため治安部隊が占拠している。こうした政府の強硬姿勢に野党は対話拒否を続け、緊張が高まっている。

 バーレーン政府はサウジなど湾岸協力会議(GCC)合同軍を受け入れ、15日に非常事態宣言を発令した。16日早朝にはデモ隊の拠点である真珠広場を治安部隊が急襲し、この日だけで市民、警官ら5人が死亡、数百人が負傷した。政府は野党指導者や人権活動家、医師らを相次いで逮捕し、18日には運動の象徴となった広場の高さ約90メートルのモニュメントを撤去。周囲に戦車を配置してデモ再燃に神経をとがらせている。

 マナマ中心部にある国内唯一の救急病院は16日に軍と警察が占拠。政府は、デモの負傷者が運ばれるこの病院を「反体制的な感情を高める拠点」とみなしているからだ。16日以降、目出し帽姿の兵士らが人の出入りを制限し、負傷者の受け入れや救急車の出動を禁止。院内には機関銃を手にした多数の兵士が巡回していた。男性医師(41)は「多くのデモ負傷者が来院できず、自宅で苦しんでいる。病院としてもはや機能していない」と肩を落とした。

 ハマド国王は20日、こうした混乱を「外国勢力の仕業」と発言。「サウジなどの外国軍撤退」「拘束した野党指導者の釈放」--などを要求してきた野党の国会議員は同日、国連による仲介を求め、マナマの国連施設前で要請行動を展開した。

毎日新聞 2011年3月21日 19時01分

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