【コネタ・勉強】「青少年」の性行為について
 十七歳の女子高生とみだらな行為をしたとして二十歳の大学三年生が逮捕された(報道では容疑者の実名が公表されていたので、引用はしない)。容疑は青少年健全育成条例違反。

 教師を目指す者としては、このあたりの問題についての見解をまとめておかなければならないと思うのでまとめてみる。

 まず、教師と生徒の間で関係を持つのは(倫理的にも、規則的にも)言語道断な事であり、許されない事であるのは殆どの人が知っている事だと思う。

 しかし実は世間一般的には非難されないような関係であったとしても、違法と判断され逮捕される事がある。冒頭に挙げた事例はまさにそういったケース。ハタチの大学生と十七歳の女子高生が付き合っていたとして、それを「許せない!」と捉える人はあまりいないだろう。ところが、大学生は逮捕され実名が全国に報道されてしまった。

 殆どの都道府県に制定されている青少年保護育成条例(都道府県毎に名称は異なる場合もある)によると、このような世間一般的にはそこまで問題視されない関係であっても(性的関係を持っている場合)違法とされ、逮捕・処罰の対象となる。例えば、東京都の条例(東京都青少年の健全な育成に関する条例)においては、

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 青少年 十八歳未満の者をいう。

第十八条の六 何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行つてはならない。

第二十四条の三 第十八条の六の規定に違反した者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

第三十条 この条例に違反した者が青少年であるときは、この条例の罰則は、当該青少年の違反行為については、これを適用しない。
と規定されている。

 条文を解釈すると、援助交際のような不純な関係でなく、お互いに真摯な恋愛感情を持っていたとしても、性交又は性交類似行為を行った場合は逮捕される、ということになる(援助交際等の場合、青少年保護育成条例以外に児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律等に処罰規定がある)。

 殆どの青少年保護育成条例には青少年についての免責規定があり、青少年同士の性交は処罰されない(ただし、補導の対象となることはあるらしい)。ただ、この規定で高校生同士の関係は問題ないかというとそうでもない。例えば十八歳の高校三年生と十七歳の高校二年生が性交を行った場合(東京都では)条例違反となり高校三年生は条例違反で逮捕・処罰される可能性がある。

 教師としては、自分の生徒が青少年ではない者(大学生や社会人等)と付き合っていることを知った場合、それによって相手が逮捕・処罰され、人生が終わってしまう可能性があるという事を教えて、注意を促すべきだろう。個人的には条例では禁止されていても、高校生が大学生と付き合う等の事は問題ないと思っているので、無理矢理別れさせたり、別れる事を勧めたりするつもりはないですが。

 付き合っていたとしてもプラトニックな関係ならば何の問題も無いのですが、なかなかそうはいかないでしょうしね。

(2009-5-13)

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