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プルサーマル発電開始 福島第一原発3号機

2010年9月24日

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福島第一原発3号機のプルサーマル発電が始まり、3、4号機の中央制御室で機器を操作する係員=23日午前7時50分ごろ、大熊町夫沢、東京電力提供

 東京電力は23日、福島第一原発3号機(大熊町、出力78.4万キロワット)で発電用タービンを起動し、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使ったプルサーマル発電を始めた。発電された電力はこの日から一般家庭に供給され始めた。今後出力を上げ、国の検査を受けて10月26日ごろ営業運転に入る予定。

 発電用タービンは同日午前7時46分に起動した。24日未明には出力50%近くになる。出力を段階的に引き上げながら試運転を続け、原子炉やタービンなどに異常がないかを確認し、28日には100%に達する予定だ。国の総合負荷性能検査に合格すれば、営業運転を始めることになる。

 発電開始後、報道陣の取材に応じた同原発の吉田昌郎所長は「ウラン燃料の代替としてプルトニウム利用を進めていく第一歩になった。これからも一つひとつの操作を確実に、丁寧に取り組んでいきたい」とコメントした。

 同原発3号機のプルサーマル発電をめぐっては18日、非常時に原子炉へ冷却水を送るポンプが待機状態になっていないことを示すランプが消えず、正常に働かないことを示したため原子炉の起動が予定より約12時間遅れた。その後は順調に核分裂反応が連続して起こる臨界に達した。

 プルサーマル発電は国の核燃料サイクル政策の一つで、原発の使用済みウラン燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、ウランと混ぜて再び利用する。九州電力の玄海原発3号機(佐賀県)、四国電力の伊方原発3号機(愛媛県)に続き国内3基目で、東電では初めて。(井上亮)

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