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首相の被災地視察、政権内に賛否 天気理由に一転中止(1/2ページ)

2011年3月21日19時44分

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 菅直人首相は21日、東日本大震災の被災地の視察を「天候不良」を理由に中止した。前日夜に日程を発表していたのに、出発30分前になって一転取りやめに。被災者支援や復旧に追われる現地への首相の訪問には政権内でも賛否が分かれている。

 「ヘリコプターが首相官邸を出て、戻って来られるという天候状況にないため中止する」。官邸側が視察中止を公表したのは21日午前5時半、官邸屋上のヘリポートから自衛隊ヘリで出発する予定の30分前のことだった。

 首相周辺は「自衛隊にはどれぐらいの雨だったらヘリを飛ばせないという基準があり、それに照らして機械的に判断しただけだ」と語り、「天候不良」が原因だと主張する。ただ、首相が被災地を訪問するとなれば、受け入れ側は首長ら出迎えメンバーをそろえ、警備上の態勢も整えなければならない。このため、政権内にも「被災地がかえって混乱するのではないか」と否定的な声があった。

 視察中止で受け入れ先は「肩すかし」を食った。最初の視察予定地だった宮城県石巻市役所には亀山紘市長のほか、村井嘉浩・宮城県知事や阿部秀保・東松島市長、自衛隊の被災地支援を陣頭指揮する君塚栄治・東北方面総監らが同日未明から首相の到着を待っていた。

 中止決定の連絡を受けると、村井知事らだけで視察し、ヘリで仙台市へ引き返した。石巻市役所のある幹部は「官邸の『避難所と被災地を見たい』という要望を踏まえて日程を組んだ。役所の1階が水没する状況で、少ない職員が助け合って準備した」と明かした。

 首相視察をめぐっては、現場に足を運びたいという首相の意向に、周囲が振り回されてきた。首相は震災翌日の12日早朝に自衛隊ヘリで福島第一原子力発電所に乗り込み、敷地内を訪問。さらにヘリで宮城県沿岸部から被災地を視察した。この時、すでに1号機の原子炉格納容器の圧力が上昇。立ち去った後の午後に建屋内で水素爆発が生じた。

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