「東日本巨大地震」

東日本巨大地震

2011年3月20日(日)

米国人からの募金が少ない理由

「先進国」「犠牲者少数」というイメージが障害に

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頼まれれば支援する国、アメリカ

 多くの専門家が、東日本大震災の被害総額がハイチ地震を超え、世界最大級に達するとの見通しを述べている。

 今後、日本が自力で震災から立ち直ることは、容易ではない。世界中が日本の状況に強い関心を示し、手を差しのべようとしている間に、援助を求めなければならない。自ら、SOSの声を上げるということだ。

 特に、米国は寄付文化が定着している。Japan Initiativeによると、2001年のGiving USAの調査で、寄付する理由の8割は「寄付を求められたから」という答えだった。

 寄付を頼まれて、そこに意義を感じればカネを出す――。逆に言えば、寄付を頼まなければ、米国人から支援してもらえる確率は限りなく低くなっていく。

 今回の震災は、当初、死亡者数の数え方の違いもあって、米国人には「支援するほどではない」というイメージが伝わってしまった。今、被害の映像が流れても、「日本は経済大国だから、大丈夫だろう」という思いもどこかにある。

 だから、声をあげてほしい。

 それは、今後、復興で行き詰まった時も同じだ。国内でできることが限られる場合もあるだろう。行き詰まった時には、遠慮せずに支援を求める。そうすれば、米国人はきっとその声に反応し、独特の使命感も後押しして、支援の輪を広げるに違いない。




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このコラムについて

東日本巨大地震

3月11日午後、三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の極めて強い地震が起き、宮城県北部で震度7の烈震を観測。過去最大規模の地震災害となった。大きな被害の出た東北、関東地方などの被災地ではライフラインが破壊され、都市機能が回復するまでには長い時間がかかる見通しだ。

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