東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 経済 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【経済】

ガソリンひっ迫 休日明け改善?

2011年3月21日 朝刊

 首都圏でガソリン不足が続いている。東日本大震災の影響で、被災地への供給が優先される上、関東の製油所の一部が震災で稼働が停止し、品薄につながった。消費者の買いだめが相次いだところに中東リビア情勢の緊迫化が重なり、ガソリン不足に拍車をかけた。ただ、首都圏の製油所は週明けから順次生産を再開する見通し。消費者の冷静な対応が加われば品不足は解消に向かいそうだ。

 「やってられないよ」。二十日午後、東京・日本橋の路上で客待ちをしていたハイヤー運転手(48)は、ため息をついた。仕事で毎日給油するが、ガソリンスタンドは連日、給油待ちの車やバイクで大行列。「二時間待ちは当たり前だ」とぼやいた。

 ガソリン不足の大きな要因は、製油所の被災だ。千葉県市原市の製油所が震災で火災が起き、横浜市内の製油所も震災後の稼働停止が続く。石油連盟によると、東北と関東にある製油所九カ所のうち六カ所の稼働が止まっている。

 近年、石油元売り各社が業務効率化で製油所や物流を削減したことも一因となった。ある業界関係者は「各社は必要以上にガソリンを作ってない」と明かす。

 平時であれば、効率的な生産体制でも混乱は生じない。しかし、効率化で少なくなった拠点のうち、震災で数カ所が生産停止となれば、供給量が細るのは自明だ。こうして起きた品不足に、消費者の買いだめがダメ押しとなり、異常ともいえる首都圏のガソリン不足を生じさせた。

 横浜の製油所など三製油所は週明け以降、稼働を再開する見通し。石油元売り各社は、震災の影響がない西日本の製油所から首都圏に搬送することから需給バランスは徐々に解消するとみられる。

 ただ、供給体制が安定しても、ガソリン価格の上昇という新たな課題が浮上する。石油産地である中東は、リビアを筆頭に極めて不安定だ。国際的にも原油価格は上昇基調にあり、ガソリン価格の上昇が懸念される。

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo