2009年09月12日

JTから回答、マラウイ 葉たばこ農園の児童労働

先日プラン・ジャパンよりマラウイの葉たばこ農園における児童労働の問題が報道された際、JTに「マラウイの児童労働に関与した葉たばこを仕入れていないか」質問したという記事を9月1日に書きました。

実は一度回答をいただいたのですが、よくわからないところがあったので再度質問して、回答をいただきました。JTからの回答の要旨をまとめると、
【1】マラウイから日本に葉たばこは入ってきてる。
JTグループがサプライヤー(葉たばこの加工会社)を通じて仕入れている葉たばこの中にマラウイからの葉たばこも含まれている。

【2】葉たばこ加工における児童労働に対して。
各サプイヤーに対して「葉たばこ加工のために児童を雇用していない」ということを条件に取引を行い、また第三者機関に委託してサプライヤーの監査を行っている。→JTは2008年から年1回行っているこの監査によって葉たばこ加工においての児童労働がないと確認してるとのこと。監査機関、監査内容については開示していないとのこと。

【3】葉たばこ耕作における児童労働に対して。
JTグループは、ECLT財団(葉たばこ生産の児童労働撲滅財団 )への支援を通じ、マラウイの葉たばこ農園での児童労働問題の撲滅活動に取り組んでいる。

といったような回答でした。

最初の回答をいただいた時に、監査に葉たばこ農園での耕作について含まれていないのかと、再度質問したところ
直接の回答はなく、前回と同じ【3】のような回答が返ってきたので、JTが仕入れてる葉たばこについて、葉たばこ加工までは監査をしてるが、その前段階の、肝心な葉たばこの農園まではチェックをしてないということのようですバッド(下向き矢印)

葉たばこ耕作の児童労働については、JTは「ECLT財団への支援を通じての取り組み」のみということで、これはどの程度の取り組みなのかがわからないんですね。なにもしないよりはいいでしょうが。。。

つまり、マラウイの約7万8,000人の葉たばこ農園で働く子どもが摘み取った葉たばこが、日本に入ってきている可能性があるということです。

やはり、実際の仕入先のたばこ農園の児童労働がないことを確かめて仕入れるということをしないと、社会的責任を果たしてると言えないのではないでしょうか。

余談ですがJTのCSRレポートによると、食品事業では、消費者からの期待が高いトレーサビリティについて、野菜なら畑までチェックして安全が確認できたものだけ仕入れていると言ってるのですけどね〜。。

ちなみに児童労働の撲滅のためECLT財団を支援していることはCSRレポートの『第3章 社会と共生する「良き企業市民」を目指して』『JTグループの社会貢献活動』というところに記載されてます。

そして、『第2章 事業を通じたCSRの取り組み』『たばこ事業におけるCSRの取り組み』では葉たばこ農園の児童労働については一切触れていません。
なのでこのレポートだけ見ると、JTが葉たばこ農園の児童労働に対しては事業を通じた社会的責任とは捉えてなくて、事業を行ってる地域への社会貢献活動の一環として捉えられてるように読みとれてしまいます。
それってなんだか違うんじゃないかなーと思うんですが。

ただ『第1章 JTグループの経営』『CSR志向の調達』
(前略)調達における社会的責任をさらに明確化する観点から、現在、「JTグループ調達基本方針」の策定を進めています。 この方針においては、調達にあたって公平・公正な調達活動に努めることを明記するとともに、取引先の選定基準として、環境への配慮に加え、法令遵守や人権への配慮、情報セキュリティなど、CSRに関わる事項を盛り込む予定です。(後略)
と記載されているので、葉たばこが作られてる農園まで児童労働がないかチェックするような、CSR調達、サプライチェーンマネージメントを今後期待していきたいところです。

もしこの問題について、気になる方がいましたら、こちらのJTのホームページの右上にある[お問い合わせ]をクリックして、[その他たばこ製品についてのお問い合わせ]をクリックするとでてくるメールフォームから意見や質問を送ってみてください。

JTに限らず、日本で食品のトレーサビリティがこれだけ進んだのも、消費者の声があったからではないかと思います。
私たちの声がJTのCSR推進の後押しになり、JTの中にいるCSR担当の人への応援にもなるんじゃないかと思いますのでお時間ある時にぜひるんるん

長くなってしまいましたが読んでいただいてありがとうございます!
応援よろしくです。
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posted by まる at 21:28| Comment(2) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。大変興味深く拝見しました。
ご指摘の各点、もっともだと思います。

なお、ECLT財団のような団体があるということはまずなにより、業界全体に関わる重大な問題が存在することを示唆していますし、またECLT財団がそうかどうかはわかりませんが、そのような団体を作ることで「お茶を濁している」場合もままあります。さらに日系企業の場合には、「団体に加盟してます」というだけで責任を果たしているように説明するのですが、その実、加盟している以上の行動をまったくしていないという場合もあります。(タバコ業界は知りませんが、他の農産物でそのような事例を見聞きします)

まるさんのように、直接企業に問い合わせることは、非常に重要なことだと思います。ありがとうございました。
Posted by あだなお。 at 2009年09月12日 23:13
あだなお。さま

コメントありがとうございます!!

>ECLT財団のような団体があるということはまずなにより、業界全体に関わる重大な問題が存在することを示唆していますし

はい、業界全体で重大な問題だと認識はされてるってことですね!

>「お茶を濁している」場合もままあります。

はい確かに、なんだか、そんな嫌な予感もちょっと感じてます。。
そうでないことを祈りたいですが。。

CSRレポートでの取り上げ方を見てるとたばこの児童労働の問題をあまり消費者に知られたくないのかなーとも思いました。
Posted by まる at 2009年09月13日 01:37
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