3月13日の情報

東電社長 津波は想定を超えた

東京電力は、13日午後8時半前から清水正孝社長などが記者会見を行い、清水社長は「放射性物質の漏えいや原子炉のトラブルが相次ぎ、避難勧告が出ている地域をはじめ、社会の皆様に大変なご心配とご迷惑をかけ、心よりおわびしたい」と述べました。
また、「施設は地震の揺れに対しては正常に停止したが、津波の影響が大きかった。
津波の規模は、これまでの想定を超えるものだった」と話しました。
さらに、福島第一原発の2号機について、「状況によっては、海水を使った冷却も検討している」と話しました。
一方、東京電力の担当者は、福島第一原発の3号機について、「原子炉に海水を注入しているものの、午後7時半現在で、原子炉の水の高さが下がり続け、核燃料棒を束ねた『燃料集合体』が、全体の半分の長さに当たる2メートルほど露出している。午前中、原子炉を入れた格納容器の圧力を下げるため、中の空気を放出したが、その後、圧力は上がる状況が続き、空気を抜くために開いた弁が再びふさがった可能性がある」と述べました。
また、1号機についても、「原子炉に海水を入れているものの、燃料集合体が1メートル70センチ露出しているとみられる」と説明しました。

3月13日 22:20更新

福島の原発 冷却へ作業続く

十分な冷却機能が確保できなくなっている、福島県にある東京電力の福島第一原子力発電所と福島第二原子力発電所では、冷却機能の回復を目指す作業が進められていますが、安全を確保するめどは立っていません。
このうち、▽福島第一原発の3号機では、13日午前11時半に、燃料棒の上2メートル10センチまであった原子炉内の水面が、1時間半後の午後1時に計測したところ、水位が下がっていて、燃料棒が水面の上2メートルほど露出したということです。
この状態は、少なくとも午後3時まで続いたということで、原子炉を十分に冷やすことができなくなり、燃料棒の一部が露出し、溶けた可能性があるということです。
このため大量に水素が発生して原子炉建屋の上部にたまり、1号機と同じように3号機の原子炉建屋でも水素爆発が起きる可能性があるとしています。
しかし、原子炉やそれを覆う格納容器は、万一、爆発が起きても衝撃に耐えられるとしていて、東京電力は、水素を取り除く方法を検討しています。
▽12日に爆発が起きた1号機は、安全を確保するため、原子炉とそれを覆う格納容器の中に海水を満たす作業が続けられています。
原子力安全・保安院では、流し込んだ水の量などから格納容器内は満水の状態になったと考えられるとして、このまま水を入れて冷やし続ければ当面は安全を確保できるとしています。
▽2号機は、炉内の水の高さが通常よりも低い状態が続いています。
格納容器内の圧力も通常より高い状態が続き、東京電力は13日も、圧力を下げるために発電する電源車をつないで電気で動く装置を回復しようとしていますが、これまでのところうまくいかず、容器の空気を抜くなどの別の手段の検討も行っています。
▽福島第二原発については、1号機と2号機、4号機で、原子炉を冷やすために海水をくみ上げるポンプが津波の影響で動かなくなり、十分な冷却機能が確保できなくなっています。
このため東京電力では13日夜から14日朝にかけて1号機のポンプを動かすモーターを交換したあと、2号機と4号機でも順次、同じ作業を行い、冷却機能の回復を図りたいとしています。
地震の発生から13日で2日、原子炉を完全に止めて安全を確保するめどは立っておらず、東京電力は復旧作業を急いでいます。

3月13日 21:35更新

東電 水素取り除く方法を検討

東京電力は、福島第一原子力発電所3号機について13日、原子炉内で大量の水素が発生したと考えられるとして、1号機と同じように原子炉建屋で水素爆発が起きる可能性があることを明らかにし、これらの水素を取り除く方法を検討しています。
東京電力によりますと、福島第一原発3号機では、13日午前11時半に、燃料棒の上2メートル10センチまであった原子炉内の水面が、1時間半後の午後1時に計測したところ、水位が下がっていて、燃料棒が水面の上2メートルほど露出したということです。
この状態は、少なくとも午後3時まで続いたということで、原子炉を十分に冷やすことができなくなり、大量に水素が発生して原子炉建屋の上部にたまっている可能性があるということです。
このため、12日の1号機と同じように、3号機の原子炉建屋でも水素爆発が起きる可能性があるとして、これらの水素を取り除く方法を検討しているということです。
東京電力は、今回の水位の低下で「一部の燃料が溶けた可能性もある」とみて、原子炉内に海水を入れる作業を続け、水位を確保していきたいとしています。

3月13日 17:35更新

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福島第一原発3号機 水素爆発の可能性も

枝野官房長官は、午後3時半から記者会見し、東京電力福島第一原子力発電所3号機について、一時、原子炉を十分に冷却できず、原子炉建屋の上部に水素がたまり、爆発する可能性があることを明らかにしました。
ただ、万が一爆発しても問題が生じない状態だとしています。
枝野官房長官によりますと、福島第一原子力発電所3号機では、午前9時すぎに圧力弁を開いて真水の注入を開始し、炉心を冷却できる状況になりましたが、真水を注入する給水ポンプにトラブルが生じたため、水源を海水に代えて炉心へ注入したところ、注水が不安定な状況になり、水位が大きく低下しました。
その後、海水を注水する状況を確認したところ、再び水位が上昇を始めました。
これについて、枝野官房長官は「この間、十分に冷却できない状況であったため、炉内で大量に水素が発生したことが予想され、その水素が原子炉建屋の上部にたまっている可能性が否定できず、12日に起きたような水素爆発が再び起きる可能性が生じている」と述べ、原子炉建屋が爆発する可能性があることを明らかにしました。
その一方で、枝野長官は「万が一爆発しても、原子炉本体の圧力容器と格納容器については問題が生じない状態だ。そのレベルの衝撃には耐えられる構造になっている。 避難していただいている人たちの健康に影響を及ぼす状況は生じない。一般的に言われるメルトダウンに至る状況が続いていたわけではなく、水位は上昇している。原子炉内の水位を着実に見守ってくことになる」と述べました。
また、枝野官房長官は、3号機周辺の放射性物質のモニタリング数値について「モニタリングでは、13日午前10時以降、50マイクロシーベルト前後の数値で安定していたが、午後1時44分ごろから上昇し、1時52分には1557.5マイクロシーベルトを観測した。ただ、その後、午後2時42分のデータでは、184.1マイクロシーベルトに低下している」と述べました。
そして、放射線の数値が一時的に上がった原因については「炉心が水没していない状況になると、放射線の発生がその時間は多くなるので、一時的に数値が上がる」と述べました。

3月13日 17:05更新

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原発避難指示 対象7〜8万人

福島県によりますと、福島第一原発と第二原発の周辺に住む人で避難指示の対象となるのは、7万人から8万人になるということです。
避難指示の対象となっているのは町の全域が対象となっている双葉町、大熊町、富岡町をはじめ、南相馬市、浪江町、楢葉町、広野町、葛尾村、川内村、田村市のあわせて10の市町村です。
このうち、すでに避難が済んでいるのを確認したのは、南相馬市を除いておよそ6万2000人だということで、県では避難指示が出ている地域に残っている人たちを把握して、速やかに避難させたいとしています。

3月13日 13:50更新

福島第一原発3号機 燃料棒は露出から回復

東京電力の福島第一原子力発電所3号機で原子炉を冷やす水の高さが下がり、燃料棒の一部が露出したと推定されると政府が午前中の記者会見で発表しましたが、これについて東京電力が、原子炉の水の高さを明らかにしました。
それによりますと、13日午前11時現在で燃料棒が水面の上1メートル30センチほど露出しましたが、30分後の午前11時半に計測したところ、燃料棒の上、2メートル10センチにまで上昇したということです。
原子炉に真水を入れる作業を続けており、水位は安定していると言うことです。
水の高さが回復した要因について、東京電力は「原子炉の中の圧力を下げたり、原子炉に真水を流し込んだりしたことで水面が上がったとみている」と話し、引き続き監視を続けていくとしています。

3月13日 13:40更新

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福島第一原発3号機 燃料棒溶けた可能性

枝野官房長官は、13日午前11時の記者会見で、福島第一原子力発電所の3号機について、原子炉を冷やすための水の高さが下がり、燃料棒の一部が露出したと推定されると発表しました。
このため、3号機でも燃料棒が溶けている可能性があるということです。
枝野官房長官は、対策として、13日午前9時すぎに原子炉内の圧力を下げるため作業を開始し、原子炉に真水を流し込んで水位を上げようとしていることを説明しました。
水には核燃料の反応を抑えるためのホウ酸も加えて、いるということです。
あわせて午前9時20分には原子炉の入った格納容器の圧力を下げるために容器の中の空気を抜き始めたため、「きのうの1号機に続いて、微量の放射性物質が放出されたと思われる」と述べました。
福島第一原発の敷地境界付近では、午前8時33分、これまでで最も高い、1204.2マイクロシーベルトの放射線が計測されたということです。
これについて東京電力では「1号機や3号機で、原子炉内の空気を抜く作業を行っており、こうしたことが影響している可能性がある」とみています。

3月13日 12:35更新

原子力安全・保安院 原発の状態説明

経済産業省の原子力安全・保安院は、の13日午前10時から記者会見し、福島第一原子力発電所と福島第二原子力発電所にある10基の原発の状態について説明しました。
それによりますと、福島第一原子力発電所のうち、▽1号機は12日夜から原子炉の海水を流し込む作業を続けており、13日午前5時半までに作業を終えました。
このまま海水の注入を続け、満水の状態を続ければ、安全を確保できるとしています。
▽2号機は、原子炉を冷やす機能が維持されているとしたうえで、原子炉の入った格納容器内の空気を抜く作業を準備しているとしています。
▽3号機は、13日午前5時すぎに原子炉を冷やす機能がすべて失われたため、消防のポンプなどを使って、水を入れる作業を続けているほか、電源車をつないで、電源の復旧を試みているということです。
また、午前9時ごろに格納容器の中の圧力を下げるために、容器内の空気を外に放出したということです。
このほか、▽4号機と5号機、6号機の3基の原発については、定期検査中で運転を停止していたため、安全に問題はないということです。
一方、▽福島第二原子力発電所の4基については、安全に停止させるための対策は十分ではないものの、原子炉を冷やす機能は今のところ維持されているとしています。
また、3号機については、12日に原子炉内の温度が安全なレベルまで下がり、完全に停止したということです。

3月13日 12:35更新

福島第一原発3号機 水注入し圧力低下作業

枝野官房長官は、13日午前11時に記者会見し、福島第一原子力発電所3号機で、原子炉を冷やすために水を送る手段がなくなっていたことを受けて、真水を圧力容器内に注入するなどして、原子炉内の圧力を低下させる作業を進めていることを明らかにしました。
この措置に伴い、微量の放射性物質が大気中に排出されたものの、人体に影響を与えるものではないとしています。
この中で枝野官房長官は、福島第一原子力発電所3号機について「注水機能が停止し、その結果、炉のいちばん内側にある圧力容器内の水の水位が低下して、燃料棒の上部が水面上に露出したと想定される。このため、午前9時5分に圧力容器の安全弁を開き、8分には真水の注入を開始した。さらにホウ酸を混入して、一層の安全性を高める手段を取り、炉の圧力は低下した。同時に外側の格納容器の安全弁を開き、その結果、格納容器の冷却が始まったとみられる」と述べ、原子炉内の圧力を低下させる作業を進めていることを明らかにしました。
そのうえで枝野長官は「この格納容器を開いて以降、微量の放射性物質が排気筒より排出されたと思われる。想定される範囲内で、管理された形で微量の放射性物質を含む気体が放出されているが、こうした事態に対応するための手順に基づいて行われており、人体に影響を与える放射線が放出されているものではなく、安心してほしい」と述べました。
さらに、枝野長官は、午前8時33分に1204.2マイクロシーベルトという高い放射線量が観測されたことを明らかにし、「1号機の内部の空気を抜く作業は継続しており、そうしたものの結果だと分析している。風向きなどで数値が大きく上下動することはありうる。ただ、数字が継続して急激に上昇したり、複数地点で非常に高い数値がみられれば問題だが、1か所についての変動は今後もありうる」と述べ、人体に影響するものではないという認識を示しました。
そして、12日、1号機で起きたものと同様の爆発が、3号機で起きる可能性については「そうした可能性が起きる前に、原子炉への給水が確保できた」と述べ、否定的な見方を示しました。
また、枝野官房長官は「避難した人たちの、被ばくに対する不安が高いと思っている。このため、国の責任で、福島県と連携して、すべての避難所に専門家による救護所を設け、避難している人に対し、スクリーニングや医療の対応を行うための専門チームを設けることを検討している」と述べました。

3月13日 12:10更新

福島第一原発 敷地境界で放射線

福島県にある福島第一原子力発電所について、東京電力は、敷地の境界で放射線の値が国の基準を超えたとして、原子力災害対策特別措置法に基づいて国に対し「緊急事態」を知らせる通報を13日午前9時1分に行いました。
福島第一原発では、12日午後や13日午前、原子炉が冷やせなくなったため、圧力が高くなった格納容器の空気を抜く作業が行われていて、東京電力は、こうした作業が、放射線の値の上昇につながった多能性があるとみて調べています。
国への通報の基準は1時間に500マイクロシーベルトとなっていますが、東京電力によりますと、福島第一原発の正門付近での値が12日午後3時半ごろには1015マイクロシーベルトで、その後下がりましたが、また13日8時20分には882マイクロシーベルトとなりました。

3月13日 11:05更新

福島第一原発3号機 緊急事態の通報

福島県にある福島第一原子力発電所3号機について、東京電力は、原子炉を冷やすために水を送る手段がなくなったとして、原子力災害対策特別措置法に基づいて国に対し「緊急事態」を知らせる通報を行いました。
東京電力では、格納容器内の圧力を下げるため午前8時41分、内部の空気を抜き始めたということです。
東京電力の福島第一原発3号機では、原子炉を冷やすために水を送る装置が止まり、別の手段でも炉内に水を送ることができなくなくなりました。
このままの状態が続くと原子炉の中の圧力が高まり、危険な状態が続くとして、東京電力は原子力災害対策特別措置法に基づいて国に対し「緊急事態」を知らせる通報を午前6時前に行いました。
東京電力では、格納容器内の空気を外部に放出する作業に向けて準備を進め、午前8時41分に空気を放出したということです。
格納容器内の空気を放出する作業は12日、福島第一原発1号機で行われています。
この地震で、国に「緊急事態」を知らせる原子力災害対策特別措置法に基づく、いわゆる「15条通報」がこれまでに行われたのは、▽11日の福島第一原発1号機、2号機、▽また12日の福島第二原発の1号機と2号機、4号機で、今回の福島第一原発3号機は、6基目となります。

3月13日 9:55更新

原発「炉心溶融」はレベル4

福島第一原子力発電所1号機で国内で初めて、原子炉内の核燃料が溶ける「炉心溶融」が起きたことについて、経済産業省の原子力安全・保安院は事態の深刻さを示す国際的な基準に照らして評価をした結果、12年前に、茨城県東海村で起きたJCO臨界事故と同じ「レベル4」にあたると判断しました。
原子力施設で起きた事故については、原子力安全・保安院が国際的な評価基準のINES=国際原子力・放射線事象評価尺度に基づいて事態の深刻さをレベル0から7までの8段階で評価することになっています。
12日、東京電力・福島第一原発の1号機で燃料のウランの核分裂でできるセシウムやヨウ素といった放射性物質が検出され、核燃料が高温となって溶け出す「炉心溶融」が国内で初めて起きたことについて原子力安全・保安院は、8段階のうち▽燃料の損傷や▽放射性物質の相当量の放出があった場合に相当する「レベル4」と判断しました。
この評価は、12年前に、茨城県東海村で起きたJCOウラン加工施設での臨界事故と同じレベルで、原子力安全・保安院は「地震が原因だとは言え、結果的に、燃料が溶け出すことになり、高いレベルの憂慮すべき事故だと考えている」と話しています。

3月13日 4:00更新

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福島第一原発1号機 海水で冷却

東京電力の福島第一原子力発電所1号機では、国内で初めて核燃料が溶ける「炉心溶融」が起きたほか、放射性物質を含む空気の放出や建物の爆発が続きましたが、東京電力は、12日夜から原子炉を海水で冷やす異例の対応を取りました。
福島第一原発の1号機では、11日の自動停止のあと、原子炉を冷やせない状態が続き、12日は、ウラン燃料が核分裂して発生する「セシウム」や「ヨウ素」という放射性物質が周辺で検出され、国内で初めて核燃料が溶ける「炉心溶融」が起きました。
また、原子炉が入った格納容器の圧力が高くなっていたため、東京電力は、12日午後2時ごろから、格納容器内の放射性物質を含む空気を外部に放出したほか、原子炉のある建物が水素と酸素が結びついて爆発し、建物の壁が崩壊しました。
東京電力は、停電などで水で冷やす手段が容易に確保できないなかで、12日午後8時から、原子炉に海水を大量に入れて冷やすという異例の対応を取りました。
福島第一原発では、原子炉や格納容器が壊れることを防ぐため、自衛隊がポンプ車などを使って格納容器を海水で満たして冷却する作業を行いました。
作業は、再び核燃料が反応しないよう、中性子を吸収するホウ酸を入れて行われたということです。

3月13日 2:00更新