科学【東日本大震災】「津波の最高到達点、50メートルの可能性も」 関西大社会安全学部長・河田恵昭教授+(1/2ページ)(2011.3.19 20:22

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【東日本大震災】
「津波の最高到達点、50メートルの可能性も」 関西大社会安全学部長・河田恵昭教授

2011.3.19 20:22 (1/2ページ)

 戦後最大の被害を起こした、地震の特徴や津波の発生状況について関西大社会安全学部長、河田恵昭教授(65)に聞いた。河田教授の専攻は巨大災害、都市災害、総合減災システムなどで、政府の中央防災会議の委員などを歴任している。河田教授は、津波の最高到達点が、海抜50メートルの地域までいった可能性を指摘した。

 --発生の構造は

 河田氏 沖にある太平洋プレート(岩盤)と北米プレートの境界にある岩手沖、宮城沖、福島沖の3つの断層帯が、6分間にわたり(阪神大震災は15秒間)順次壊れていき、南北500キロ東西200キロにわたる巨大地震となった。

 --今回の地震の特徴は

 特徴はふたつある。ひとつは地震がこれまで起きなかった空白域から破壊が始まり、思いもよらず広範囲に地震が広がったことだ。もうひとつは巨大なエネルギーにより、沿岸部の被災地ほぼ全域で地盤沈下が起きたことだ。過去の三陸沖地震では地盤沈下は起きていない。

 --巨大なエネルギーは大津波の原因にもなった

 映像で見る限り地震動による建物被害は大きくなさそうだ。津波の高さは10メートルの堤防を軽々越えた。津波は10~20メートルとかいわれているが、被害状況をみているとそんなレベルではないだろう。地震のエネルギーから考えると、、明治29(1896)年の明治三陸沖大津波(M8・5、死者2万2千人)の4倍以上のエネルギーだから、今回の津波の最高到達点は海抜約50メートルぐらいの所があったのではないか。

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