御坊市議会が
津波シミュレーションCG映像鑑賞

 御坊市議会産業厚生常任委員会は17日、市が平成15年度、16年度に小池信昭・和歌山高専准教授に委託実施した津波シミュレーションのCG映像を鑑賞した。東海、東南海、南海の3つの地震が同時発生したマグニチュード8・6、(満潮時)を想定した独自のシミュレーション。国の中央防災会議の想定データを上回る最悪の場合を想定しており、旧御坊町と北塩屋地区のほぼ全域が1メートル以下から最大8メートル前後まで浸水すると予想。市は「地震が来たら早く浸水予想地域外に避難してほしい」と呼びかけている。

 CG映像は、航空写真上に地震発生から35分後に津波第1波、65分後に第2波、95分後に第3波が押し寄せてくる様子を映像化しており、あらゆる方向から津波が市街地に入ってくることや時間経過とともに変化する浸水域の範囲などが分かる。映像を見た委員らは「浸水していく様子がよく分かった。市民にも積極的に公開し、注意を喚起すべき」との要望があり、市担当者は「出前講座などで要望があれば見ていただけるようにする」と話した。
 シミュレーション結果をもとに平成17年に津波ハザードマップ(津波浸水予想図)1万3000部を作成し、市内全戸に配布している。マップでは市内全域と市街地、塩屋、祓井戸・野島、加尾・上野・楠井など地区別に浸水域、最大浸水深(0~5メートル以上)を色分けして地図上に標示。市街地は第1波(35分後)第2波(65分後)第3波(95分後)別に載せ、地区別ワークショップで協議した避難場所や避難経路も掲載している。
 シミュレーション結果は第3波が最も大きく、次いで第4波が大きい。10分単位で計算した津波浸水予想図を3時間分重ね合わせた最大浸水深予想図によると旧御坊町は全域が浸水域に入り、西川などの河口に近い名屋町など名新地区を中心に最大6メートル前後の浸水を予想。北は御坊中近くまでが浸水域に入り、御坊小付近は1メートル以下程度と予想。旧御坊町以外でも西川に近い湯川町の一部地域でも浸水を予想している。
 北塩屋区は国道沿いのほぼ全域、岩内は日高川河川敷、南塩屋区は南塩屋漁港や塩屋小学校近くの王子川沿いを中心に1メートル以下から~最大8メートル前後の浸水域を予想している。名田地区は各漁港周辺や河川沿いの一部が浸水域に入る。名屋など海に近い地域は津波の直接被害のほか、大型船や漁船、自動車、木材等流出による二次被害、漁港に設置しているガソリンタンクの破壊、出火被害なども考えられるという。