少しでも力になりたいという思いが、松井をビデオカメラの前に立たせた。遠征出発前の一塁ベンチ。英語で東日本大震災の被災者に対する支援を呼び掛けた。
「少しでも協力してもらえればいいですね」というゴジラからの動画メッセージは約30秒。すでに公式サイト上にアップされている。決して流暢(りゅうちょう)ではないが、英単語の一つひとつをはっきり発音して、米国やカナダなど英語圏のファンに協力を求めた。
ア軍は前日、シーズンを通して義援金を受け付ける専用サイトを開設。開幕3戦目となる4月3日(同4日)のマリナーズ戦の入場券1枚につき1ドル(約80円)を寄付することなどチャリティー計画を発表したばかりだった。日本人大リーガーの中には、英語で話しているのを撮影されることさえ嫌がる選手もいるが、松井は英語の動画メッセージという提案に即応。練習前の収録を快諾したという。
ファンに支援を訴えるだけでなく、数日前にはすでに義援金を送っていたことも分かった。地元・石川県の慈善団体関係者によると、額は5000万円以上だという。松井は、寄付行為などは公表するものではないという姿勢を貫いており、今も義援金に関しては沈黙を守っている。
英語の動画メッセージに義援金。米国にいるゴジラだが、被災地への思いは尽きない。
★松井のメッセージ全文
As you know Japan is facing great challenges in recovering from the earthquake and tsunami. I would like to encourage you to help the A’s raise funds for the relief efforts. Every contribution helps greatly. Thank you very much for your generous support.
【訳】御存知の通り日本は地震と津波の被害からの復旧という難題に直面しています。アスレチックス救済基金への支援をお願いします。すべての厚意が大きな援助になります。皆さんの寛大なご協力に感謝します。