政治【東日本大震災】政府チグハグ対応なお 「冷静」呼びかける一方で不安増長 野党の不満もますます+(2/2ページ)(2011.3.20 21:57

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【東日本大震災】
政府チグハグ対応なお 「冷静」呼びかける一方で不安増長 野党の不満もますます

2011.3.20 21:57 (2/2ページ)

 ■頭の中は「政権維持」

 「国難だからということで後にやればいいことを先にやろうとしたんでしょ? 本当にKY(空気が読めない)だな…」

 首相周辺は、首相が谷垣禎一自民党総裁に副総理兼震災復興担当相への就任を打診したことへの不快感を隠さなかった。

 この一件で首相の頭には「衆参ねじれを解消し政権を維持したい」という考えしかないことを露呈した。ある自民党重鎮は「災害復興という最大の課題を谷垣氏に委ねて首相は何をする気なのか」と冷笑する。

 しかも肝心の震災対応は後手に回る。その証拠に政府の中央防災会議は一度も開かれていない。

 中央防災会議は首相と全閣僚、日銀総裁、日本赤十字社社長、有識者らで構成される正式機関。自民幹部は「首相はそういう会議があることを知らないのではないか」といぶかしがる。

 にもかかわらず「官邸主導」をアピールしようと矢継ぎ早に本部を設置した。被災者生活支援特別本部、原子力災害対策本部、電力需要緊急対策本部-。これら本部からバラバラに指令が飛びかっており、ある経済官僚は「指揮命令系統が混乱を極め、わけがわからない」と悲鳴を上げる。

 しかも枝野氏に情報を一元化するあまり情報発信は滞っている。福島県では自前で計測した水道水モニタリングデータの発表が遅れ、民主党出身の佐藤雄平知事は政府の災害対策本部で「しっかりやってくれ」と怒りを爆発させた。

 ■与野党会合空虚

 政府・与野党は20日も国会内で震災対策合同会議の第2回実務者会合を開いた。「野党の力を借りたい」と首相が呼びかけたにもかかわらず、野党側の提言を「聞き置く」だけ。野党の不信を助長している。

 「風評被害の元凶は政府にある」

 公明党の高木美智代政調副会長は事故後の政府対応を批判したが、政府・民主党から回答はなし。放射性物質のモニタリング結果で原発から半径30キロ圏外でも高い数値が出ても詳しい説明はなかった。

 前日の要望・提案には「今後とも全力で取り組む」などと無機質な回答をペーパーで配るだけ。岡田克也幹事長は「明日回答します」を決まり文句のように繰り返した。

 しかも会合はきっかり1時間。自民党幹部は「これではせっかくのアイデアも実現されない」、公明党幹部も「この会合がどれほどの効果を生んでいるのか」と憤りを隠さない。

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