あの左翼運動系の週刊誌「週刊金曜日」(以下、週金と略す)が、朝鮮に残してきた曽我ひとみさんの家族にインタビューをして、大顰蹙を買っているのは御存知の通りです。しかし実物を読んでびっくり! インタビューなんてほんの一部であり、後は延々と北朝鮮のプロパガンダが並んでいます。報道の自由が云々と暢気な事を言っている自称ジャーナリストもいますが、まずはこの雑誌を一冊読んだ上でモノを言ってもらいたい。最初から中立的な立場から書かれたものではないのです。
とは言っても売ってないんだよね、この雑誌。そこで週金今月号について、ここで詳しく書きたいと思います。週金を買いたくても手に入らない人、週金を利するのは嫌だが中身は見てみたい方、必見です。
今日は、浅井基文について更新です。
北朝鮮当局の卑劣な謀略を糾弾する(全国協議会)昨日(15日)午後、家族会、拉致議連、救う会は国会で記者会見を行い、5人の拉致被害者帰国1ヶ月、横田めぐみさん拉致25年にあたっての所感を明らかにしました。この中で、問題になっている「週刊金曜日」の曽我さん家族に対するインタビューに関し、次のような声明を発表しました。 ◇ ◇ 本日発売の「週刊金曜日」は曽我ひとみさんの家族のインタビューを掲載し、ひとみさんに北朝鮮に戻ることを求めるメッセージを伝えさせている。さらに同誌編集部員が昨日朝、警備の隙をついてひとみさんの家に入り、その内容を知らせている。ひとみさんはこれにショックを受け、この日の予定をキャンセルしてしまった。今回「週刊金曜日」のインタビュー及び曽我ひとみさんへの接触はまさに暴挙と言わざるをえない。 言うまでもなくジェンキンス氏らのインタビューは、北朝鮮の意図を代弁させるものである。ジェンキンス氏は「私は三七年間自由でした」と言っているが、曽我ひとみさんが自らの存在すら家族に知らせることができなかった北朝鮮で自由などということはあり得ない。しかもジェンキンス氏は文章を予め書いて持ってきており、自由な意志を表現しているとは到底思えない。 「週刊金曜日」はまさに北朝鮮当局の走狗となったと言っても過言ではないのだが、それでもジェンキンス氏はインタビューの中で、北朝鮮に行った理由について「言いたくありません」と言っている。これは本人が、自分の意志で北朝鮮に行ったのではないという、精一杯の主張であるともとれる。その意味で私たちはジェンキンス氏や二人のお子さんを絶対に救出しなければならないとあらためて確信した。 今回の「週刊金曜日」のインタビュー及び曽我さんへの接触は当然厳しく糾弾されるべきことだが、これはキム・ヘギョンさんのインタビューと同様北朝鮮の情報戦・謀略戦の一環であり、被害者の家族を自らの代弁者とするという卑劣さには強い憤りを禁じざるをえない。 訪朝時における小泉総理の姿勢が金正日に拉致を認めさせ、謝罪させた。そしてそれがひと月後には5人を帰国させることへとつながった。北朝鮮を動かすには断固とした姿勢が必要不可欠である。北朝鮮がこのような卑劣な謀略を行うのであれば日本政府は厳格なる対抗措置、すなわち北朝鮮船舶の入港禁止や朝銀への公的資金導入停止、日本国内における北朝鮮の各種非合法活動の徹底的な摘発などを行うべきである。 私たちは拉致被害者の家族を人質にとり、未だ多数の被害者を隠し、さらに韓国人など多数の拉致を行い、在日朝鮮人帰国者及びその日本人家族の人権を蹂躙し、また2000万自国民をも世界最悪の人権状況のなかにおいている北朝鮮金正日体制を絶対に許さない。この卑劣な謀略に勝利するため、国民各位のご協力を切にお願いする次第である。 平成14年11月15日北朝鮮による拉致被害者家族連絡会 代表 横田 滋 北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会 会長 佐藤勝巳 この記事の一番上へ |
本題に入る前に、各紙の報道をまとめておきましょう。以下のリンクは、最初だけ別ウインドウが開きますが、その後のリンクは同じウインドウを使い続けるので、読み終えた後にウインドウを閉じる事は不要です。
11/16以降にアップした分
11/14,15までにアップした分
週刊金曜日の曽我ひとみさん家族会見報道は北朝鮮の政治宣伝だ!(西岡力)週刊金曜日11月15日号は、曽我ひとみさんの家族との会見記を掲載した。これは北朝鮮の政治宣伝をそのまま伝えたもので、とうてい許すことが出来ない。週刊金曜日はこの会見では「質問は自由に行うことができ、制約はなかった」と書いている。しかし、問題は質問への制限ではない。家族が自由に答えられたかどうかだ。 北朝鮮での会見で、自由意志の表明ができるかどうかは、すでに曽我さん本人の言動が答えを出している。曽我さんは9月末の外務省の調査団との面談で、「将軍様の配慮」などという表現を使い、日本への帰国でなく北朝鮮での家族との再会を臨むと語った。しかし、その2週間後には日本に帰国し、「空も土地も木も私にささやく《おかえりなさい、ガンバッテきたネ》」と帰国の喜びを語った。このどちらが自由な意思表示かは明自だろう。 また、今回の会見記の中にも、家族が北朝鮮当局によって発言内容を誘導されていることを証明する部分がある。第1点は、ジェンキンス氏が「サエキという男性と、ナカヤマという日本政府の人が、空港で、一〇日間で妻は帰ってくると約束した」と語っていることだ。平壌空港に迎えに行った斎木参事官、中山参与はそのようなことは話していないとはっきりと否定しているし、曽我さん本人も空港でそのような話は出なかったと語っている。ジェンキンス氏は北朝鮮当局の命令で嘘を言わされている可能性が高い。週刊金曜日編集部は斎木参事官、中山参与に取材せず一方的にジェンキンス氏の発言を掲載した。週刊金曜日編集部は、言論の自由のない状況で本意でなく言わされた嘘を確認もせず掲載することにより、北朝鮮当局の政治宣伝に加担したと言わざるを得ない。 第2点はジェンキンス氏は曽我さんをはじめとする日本人拉致を金正日が認めたという重大な情報を知らされていないことだ。ジェンキンス氏は曽我さんが拉致されたことを「妻がここを発つ二週間前に知りました」と言っている。つまり、九月末のことだ。それを知ってからも、「今も信じ難いです。過去にも朝鮮が日本人を二人拉致したという話を聞いたことがありました。そのときも、金日成主席が導くこの国でそんなことはあり得ないと思いました」と言って、拉致があったことを未だに信じていない。北朝鮮当局が曽我さんらを自分たちが拉致してきた事実を彼に告げていないから、彼の疑問は解消しないのだ。そのため、「私の妻は日本に束縛されている。その理由が全く理解できない」という会見での発言が出てくるのだ。美花さんの「日本政府は約束を破って、お母さんを帰してくれません」という発言も、やはり拉致という国家犯罪を認識できない状態でいるために出てきたものだ。北朝鮮当局が曽我さん家族に意図的な情報管理を行って、政治宣伝に利用していることが証明される。一方、週刊金曜日記者は、なぜ金正日が小泉総理に拉致を認めて謝罪したという事実を知っているのかどうか質問しなかったのか。そこに、北朝鮮当局の情報統制に積極的に加担する週刊金曜日の姿勢がよく反映されている。以上のような週刊金曜日の姿勢に強く抗議するものだ。 反面、北朝鮮当局は、拉致という国家テロに対して強い怒りの声を上げる日本世論に驚き、なんとかその矛先をかわそうと焦っている。しかし、彼らの謀略宣伝に加担する日本メディアは週刊金曜日などごく一部だけになっている。この点は前回のキム・ヘギョンさん報道で多くの良識ある国民がフジテレビと朝日新聞、毎日新聞を一斉に批判したことの影響もあるだろう。 私は昨日(一一月一四日)午後三時半頃、曽我さんに電話で、「日本政府も家族会・救う会もまた国民の大多数もみな、曽我さんは犯罪の被害者であり、まず曽我さんが家族と日本で再会することが犯罪解決への第一歩だという認識を持って、全力尽くして曽我さんを支えますから、このような心ない政治宣伝に動揺せずガンバッテ下さい」と伝えた。曽我さんは力強い声で「分かりました」と返事された。私たちは今後も、良識ある日本国民とともに曽我さんら被害者を支え励ましつつ、北朝鮮の謀略宣伝と断固として戦っていくことを誓うものだ。 この記事の一番上へ |
ラジオ番組「ありがとう浜村淳です」より週刊金曜日は帰国者5人の子供たちみんなに取材したかった。しかし、朝鮮対外文化連絡協会に打診したところ、曽我ひとみさんの家族に対してだけインタビューが許可された。 それにしても曽我さんに与えたショックの大きいこと。みんなが北朝鮮の子供たちを日本に呼び寄せようとがんばっているときに、週刊金曜日はみんなのその気持ちをひっくり返してしまった。だからみんな怒っているんです。 週刊金曜日の編集委員のひとりに、筑紫哲也というおっさんがいます。 TV(14日のNews23)で筑紫は、自分が週刊金曜日の編集委員であることを一言も明かさず、ひたすら週刊金曜日の弁護ばかりした。「政府の方針に水をさす取材をやってはいけないということになったら、自由な報道や自由な言論は死んでしまう」という。たしかに言論も報道も自由だ。それは憲法で保障されている。だけど、その記事が多くの人にショックを与えたり悲しませたり、落ち込ませたり迷惑をかけたりすることは、許されない。おのずからそこには節度というものがある。けじめがある。 それなのに筑紫というおっさんは、自分が週刊金曜日に関わっていることを明かさずに弁護ばかりした。筑紫はいやなやつです!ほんまに。もう見ない、今晩から。 たしかに言論は自由です。憲法が保障しています。 だけど、人を傷つけたり迷惑をかけたりすることは、言論の自由をもってしても許されない。それなのに筑紫のおっさんは、卑劣にも自分が金の編集委員であることを明かさずに、TVでひたすら弁護ばっかりするんです。 週刊金曜日の編集長みたいな黒川というおっさんは、「伝えるべきことを伝えるのはジャーナリズムの責任だ。私がしたことは正しい」という。だけど触れられたら困るような部分もあります。人間だれしも、「そこまで暴かれたらかなんなぁ」という部分があります。いくら言論の自由といっても、テレビやラジオや雑誌で広くあからさまにされては困ることもあります。 果たしてそれも言論の自由であるかと言うと、私は疑問です。 で、お国の方針としては、「ようお帰り」と日本にいてもらうとともに、子供たちを日本に呼び寄せようとしています。ところが北朝鮮は日本が約束を破ったと言って、5人を戻さないと交渉しないと言ってきております。私は日本の方針のほうが筋が通っていて正当だと思います。善良な市民をさらっていって、24年間も閉じ込めてしまった。しかも金正日総書記は、拉致しましたと認めているんですよ。 日本政府も今回は珍しく腰砕けにならずにがんばっている。それなのに、週刊金曜日のように内側から突き崩していく行為はどうだろうかと思います。いえ、いけないと思います。 この記事の一番上へhttp://mbs1179.com/arigato/(38分頃より) |
11月14日 「週刊金曜日」編集主幹・黒川宣之の会見(黒川)「北が報道してほしい内容かも知れない。が、拉致問題は情報が少ない。どんな情報であれ我々が必要だと判断した情報は伝えようと思った。インタビューは特に操作されたものでなく自由に質問し自由に答えてもらった。」(記者)「その記事が曽我さんにとってプラスになったか?マイナスになったか?」 (黒川)「それは曽我さん本人が判断すること。」 (記者)「曽我さんが怒っているという報道があったが……」 (黒川)「曽我さんがなぜ怒られているのかわからない。」 (記者)「曽我さんがどう受け止めるかの配慮は?正しいことをしたとお考えか?」 (黒川)「やはり伝えるべきと思う。曽我さんが動揺したということを、読者や皆がなぜかと考えるきっかけになればいい。伝えたことが悪かったのではなく、そういう状況を作ったことが問題なのであって、それを是正するような方向に世論や政府が動くことを願っている。」 (記者)「先日、キム・ヘギョンさん(横田めぐみさんの娘)のインタビューが放映された後、人権侵害等が問題になったが……」 (黒川)「我々は、取材する時には成人の人に取材したいと北朝鮮側に申し出た。未成年者に対する取材のあり方には節度が求められる。我々はそれには配慮した。今回は夫のジェンキンス氏も娘さん2人も成人だ。」 (記者)「北朝鮮にいる家族には取材するなとの申し合わせがあったが……」 (黒川)「これからどうするかを決めるのは、政府でも家族の会でもない、ご本人だ。本人がいろいろな条件、状況を知った上で判断するのが一番いい。判断の材料を提供するのが両国の政府、メディアの責務だ。一方的に遮断するのはジャーナリズムのありかたとして正しくない。」 この記事の一番上へ |
日テレ・辛坊氏さてねぇ、これを実は私はやろうかどうしようか昨日から考えてたんですよ。というのはね、同じことをやっても、全国紙や大手のテレビ局がやるのと、ゲリラのような週刊誌がやるのとは、全然次元の違う話だから、私は実は無視しようかと思ったんですが、これだけ騒ぎが大きくなると、なかなか無視するわけにはいかないんでお伝えします。 週刊金曜日の、曽我ひとみさんの家族のみなさんをインタビューしたという話ですけれども、拉致されて日本に帰ってきた蓮池薫さんが、「北朝鮮にいて真実が言えるわけがない」とおっしゃってます。そして、産経新聞の社会面ですが、ひとみさんは大変「一人にして」ということで動揺してると。で、家族会は「心ない取材」だと怒っている。当然だと思いますね。 で、まあ関係者へのインタビューなんですが、毎日・朝日はこないだキム・ヘギョンで同じようなことをしてますから、ちょっと腰は引けてますが、全体にはやっぱり否定的ではあります。ちなみに昨日、週刊金曜日の黒川編集主幹が記者会見してますが、「自由に質問して自由に答えてもらってので、掲載する必要がある」と答えた、と。多分この方は「自由」というのがどういう意味なのか、おわかりになってらっしゃらないんだと思います。 それから毎日新聞に筑紫哲哉さん、週刊金曜日の編集委員ですが、その方のコメントが書いてあります。「国の方針に水を差すような報道、取材はすべきではない、という議論になると、報道や言論は死んでしまって、北朝鮮と同じになる」ってんですが、ちょっとこの方もよくわかってらっしゃらないなと。なぜいけないかというと、これだからいけないんです。「家族の意向を無視して、犯人の監視下で、誘拐被害者のインタビュ ーをそのまま垂れ流すか?」ということなんですね。まあつまり、全然違う論点をおっしゃってるな、ということがわかります。 ちなみに先ほどの黒川さん、こんなこともおっしゃってます。曽我さんが怒っているというのを聞いて、「何で怒られているのか分からないので、コメントできない」。おそらく、もうなんていうのか、人間性の問題なんだなという気がします。 この黒川さんに関しても筑紫哲哉さんに関しても、ぜひ今日ゆっくり辞書を引いていただいてですね、この言葉の意味を噛み締めてもらいたい。「独善」。以上です。この記事の一番上へ |
デーブ・スペクター(ザ・ワイド)草野「我々がメディア規制にいくら反対しても、 一部のマスコミのこうした報道をしてしまったがために、 日本のマスコミは人権に対する判断力を持っていないと誤解を受けかねない、そういう問題を残してしまった」 デーブ「ただ、救いなのは、この雑誌がどういう媒体なのか日本にいれば判断できる。だから曽我さんも揺れることはないでしょう。僕は自分と違った意見もたまには見るべきだと思い 二年ほど購読していたが、段々具合悪くなってきてやめてしまった。この雑誌の人達は、拉致被害者のことを心配してるのでもなんでもなくてですね、ただ国家権力に反したいんですよ。拉致議連や家族、そして日本の皆さんがこんなに団結しているのが気に食わないだけなんですよ。それと反米の発言は、ジェンキンスに言わせてるのか、本人が言ってるのかそれも彼等のモットーのひとつなんですよ。で、こう言ったことを利用して、雑誌の売名行為としか思えない、後々のことなんにも考えてないですよ。でもたった一日で、これはおかしいと見抜いたのだから、マスコミも見る側も大丈夫だと思う。日本のマスコミの一部といっても、一部も一部、100分の1にも当たらないようなちっちゃなふてくされた連中なんですよ、ハッキリ言ってね」 |
立川談志、拉致について語る「もちろんやったほうが悪い。やられたほうは全く悪くない。でもネ」。家元のご感想は、日本には“恥と外聞”がなくなったということ。さらわれるような場所に行ったことを本人も家族も地域社会も恥とせず、「身内のことでお騒がせして申し訳ない」の一言もない。そもそも日本が朝鮮の人を大勢拉致した事実はどうなる、とあえて問題提起される家元。「今こういうことを喋るのが、一番いけないんでしょうネ。謝りましょうか?」 |
ニュース23の電話応対抗議の電話入れたけど、ニュース23、まったく反省の気配なし・・・電話に出た担当の奴は「あ〜、ふーん。」の繰り返しで人の話なんかぜんぜん聞いてない。 「筑紫のコメントに対して講義したいのですが?」の問いには「何のことですか?」「被害者のことをもっと考えて発言すべきだとおもいます」と述べると「はぁ、そうですか」と答える。 「今回の筑紫の発言に対して怒りを覚える」と述べると「ふ〜ん」という返答が。 まして「この電話番号どこで知りましたか?公表してないんですよね」って逆切れする始末。 何なんだよ。あの番組。マジで怒りがおさまらね〜!! |
マスコミでは「曽我さんインタビュー」しか出てきませんが、今週の週金は事実上「北朝鮮特集」です。表紙まで含めて70ページにも満たないのに、北朝鮮関連記事で紙面をかなり埋めています。
まず最も扱いが大きいのは、曽我さんインタビュー。全部で6ページですから、これだけで全体の一割近くを占めるんだけど、うち2ページは見開きのトップページ(右の画像)、1ページ半は記者の能書で占められており、実質的なインタビュー部分は僅か2ページ半。
次に見開き2ページを使って、粟野仁雄というジャーナリストが「忘れられた子どもの人権 『永住帰国』で見えてこない残された家族の気持ち」という文章を載せています。子供が可哀想だから、被害者を北へ戻せと暗に述べています。
更にその後、「何より拉致被害者の意思尊重を -改善の兆しが見えない北朝鮮での人権状況-」と題して、 アムネスティという国際人権団体の日本事務局長へのインタビュー記事。これが1ページ。アムネスティは、少し前に「被害者の意思を尊重しろ」と言って、ちょっとだけ話題になった団体です。
その後3ページおいて、浅井基文という明治学院の教授がインタビューを受けている。これは対米関係についての話題が主なのだが、北朝鮮にも触れていて、「有事法制を成立させるまでは、北朝鮮を摩詞不思議な国に仕立て上げておかなければいけないという状況は変わらないでしょうね。」と言う。
これでやっと朝鮮の話題は途切れるのだけど、50ページで落合恵子が日記形式のコラムの中で北朝鮮のマスコミ報道について若干触れています。
紙面も終わりに近づき、投書欄。ここには4つの北朝鮮関連投書が載っていますが、特に「日朝交渉のカードに使うな」と「拉致被害者の意志のみを尊重しよう」が秀逸(?)。横には東京YMCAというミニコミ紙が紹介されていて、「小泉首相の訪朝をめぐって アジアの良き隣人となるために」と題する文章が載っています。
そして「金曜日から」という事実上の編集後記で、岡田幹治編集長が曽我さんインタビューについて、かなり長い釈明文を書いています。ここから、彼らは確信犯である事が分かります。
という事で朝鮮関連の記事はトータルで10ページ以上の分量があり、全体に占める割合は2割にもなります。にも関わらず、北朝鮮がいかに(彼らの大好きな)人権の無い国かについて書かれたのは、ほんとチョビットです。
既に2ちゃんねるに全文がアップされていました(私がアップしたのではありません)。内容は以下のURLクリックして下さい。
先に述べましたが、6ページにもわたる大きな記事なのに、インタビュー部分は僅か2ページ半しかなく、明かに不自然な構成です。1ページ半にもわたる能書は、記者が会見内容を要約したもの。そんなものを載せるくらいなら、もっとインタビューに紙面を使えば良いのに。そして肝腎のインタビュー部分は、「帰ってきて欲しい」「約束を守って」など北朝鮮政府の代弁が半分以上を占めています。
以上から私は、「週金の言いたい事」が最大限に伝わるよう編集がなされたと推測します。週金の言いたい事はいうまでもなく「曽我さんは北へ戻れ」です。インタビュー部分は、家族が「北へ戻れ」と繰り返し述べている部分を抜きだしたのでしょう。また記者による要約部分には2つの役割があります。一つは、インタビュー部分では載せられなかった部分を、補足する事。もう一つはインタビューと重複する事を述べて「北へ戻れ」というメッセージをより強める事。週金は公平な立場から取材をしたのではなく、予め決まった結論を導く為に取材をしたのです。確信犯であり、フジ朝毎のオマヌケとは一味も二味も違います。
黒川氏は「判断材料を提示するのがわれわれ報道関係者の務めだ」と言っています。つまり、この恣意的な結論の決まった記事を判断材料にしろと。自らのプロパガンダを通す為に、曽我さんに北に戻れ、と。判断材料などではなく、脅しです。
ここからが本番です。曽我さんインタビューの次に、この記事を持ってくるところに、週金の意図が見え隠れします。
あわの・まさお(ジャーナリスト) 1956年大阪府生まれ。大阪大学文学部卒業。ミノルタカメラを経て共同通信社に入社。北海道勤務、本社運動部勤務などを経て、現在はフリーで活躍。著書に『サハリンに残されて』『瓦礫の中の群像 阪神大震災』『あの日、東海村でなにが起きたのか』などがある。 http://www.usio.co.jp/magagine/usio0207/u020708.html |
この文章は、次のように始まります。
忘れられた子どもの人権「永住帰国」で見えてこない残された家族の気持ち「北朝鮮に帰したら戻れる保証はない」との家族会の強い意向を受けて、政府は五人の拉致家族の永住帰国を決めた。しかし、子どもたちの意向は確認されておらず、被害者本人の真意も定かでない。 マレーシアのクアラルンプールで一〇月二九、三〇日に行なわれた日朝国交正常化交渉は物別れに終わった。「二週間程度」の約束で一〇月一五日に一時帰国した拉致被害者五人を、日本政府がそのまま永住させようとしていることが、原因の一つだった。被害者本人はもちろん、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)に残されたままの子どもたちの処遇は宙に浮いたままだ。 |
かなり抑制をきかせている出だしですが、「日朝交渉が進まないのは、約束を破った日本政府が悪いのだ」「被害者はとっとと北へ戻せ」と言いたくてウズウズしています。子供の人権を忘れているのは勿論「日本政府」であります。
この後は、かなり長い間、事実の羅列が続きます。「北へ戻すべきだ」という言論に都合の良い事実を抜きだしてピックアップしている感じです。そして圧巻は終盤です。
納得いく説明の機会をこの夏、戦時中に日本政府によってサハリンに強制運行され、戦後、韓国に帰国した朝鮮人家族を取材した。ソウルなどに落ち着いて、親たちは韓国に子どもを呼びたがっているが、二世はロシアで育ち、ロシア語しかしゃべれない。親の誘いを断ってサハリンにとどまり、離散状態となっている家族が少なくない。あれほど望郷一途で韓国に帰った親たちの中にも、再び子どものいるサハリンに戻ることまで考えている人がいる。 戦後、日本に帰りそびれたサハリン残留日本人も九〇年ごろから北海道などへ永住帰国した。サハリンに残した子どもを呼び寄せようとしたが、言葉の壁を克服できても、生活慣習や労働慣習が大きく違うため、うまく溶け込めない例も多い。中国残留孤児の二世も様々だ。もちろんソ連崩壊後のサハリンや中国と、いまの北朝鮮はまるで違うのだろうが、物質的な豊かさだけでは人は幸せになれない。 親にとっては拉致国家であっても、そこで生まれ育った子ども本人にとっては故郷であり、幼なじみもたくさんいる。いきなり、すべてを断ち切れというには、親からのきちんとした説明が必要だ。 救う会の荒木和博事務局長は「日本国籍があるのだから、日本に返すのは当然」と説明するが、粒致されたわけではない子どもにとって「原状回復」とは何なのだろうか。 小泉総理の電光石火の訪朝以来、急展開を見せた拉致問題の動きがやや止まったいま、「親が子に納得いくまで説明できる」環境作りこそが優先的な課題となっている。 国交正常化交渉がうまくいき、日本と北朝鮮が自由に往来できるようになった後で、任意に生活拠点を決められるようになれば、それに越したことはないのだが。 |
要するに粟野氏の言いたい事、そして週金が曽我さんにいいたいのは、こういう事なのでしょう。インタビュー記事と併せて、この記事も読ませれば効果絶大。週金が「曽我さん、北朝鮮へ帰れ」と考えており、それを実行に移そうとした事は、もう疑えません。本当にやり方が悪質です。
確かに子供が外国にいついてしまい、親の帰国が困難になったケースはあるでしょう。でもそうでないケースも存在します。一方のケースのみを根拠にして「原状回復とは何なのだろうか」では成り立ちません。
一番最後にホンネでちゃったね。「日本と北朝鮮が自由に往来」だって。北朝鮮がそんな国だったらどんなに良い事か・・・。こんな夢物語を語っても、ほとんど何も言ってないに等しいです。仮に「日本と北朝鮮が自由に往来」が実現出来たとしても、その都度、日本は北朝鮮から金か米をせびられますよ。
アムネスティとしては、この五人の方々については、「どこに住むべきか、今後どのようにするべきかなどについて、彼ら自身の選択の自由を重んじなければならない」との声明を一〇月三〇日に発表しました。日本、北朝鮮ともご本人たちの選択の自由を無視したような姿勢には、懸念を感じます。まず、自由に自分たちの意思を決める環境をつくってあげることが必要ではないかと思っています。 |
北朝鮮という国を知らない人が読むと、いかにも冷静な感じがするでしょう。しかし人権に対し最も厳しい筈の人権団体が、人権弾圧国家の北朝鮮と自由主義国家・日本を同列に扱っているという時点で、「日本のアムネスティは実は北朝鮮寄りの団体ではないか」と疑わなくてはなりません。
週金の記事の中でアムネスティは、いかにも北朝鮮の人権について色々と活動をしてきた風に書いています。しかし読み返すと、「北朝鮮に人権弾圧状況について質問したけど、なかなか答えが返ってこなくてねぇ」以上の事は書いておらず、北朝鮮の人権弾圧は断乎として許さない、みたいな迫力がありません。
------内部の人権状況をうかがい知る方法はないのですか(週金)。 北朝鮮国内で独立した調査ができない以上、国連など国際機関の監視活動が必要でしょうが、これも相手が認めるかどうか分かりません。また、中国には、「脱北者」と呼ばれる北朝鮮から脱出してきた多くの難民がいますから、聞き取り調査をやれば収穫があるでしょう。ところが中国側は私たちのそうした活動を認めていませんし、国内での組織作りも禁止している状態です。(アムネスティ) |
人権団体なのに、人権弾圧支援国家・中国の言いなりになっている、というのがそもそもおかしい。それに中国がダメなら韓国亡命者を頼れば良いではないですか。韓国政府は喜んでインタビューさせてくれるぞ。中国脱出難民に対する聞き取り調査だって、石丸次郎という人がとうの昔に行っていて、「北朝鮮難民」という本まで出しています。この本を読めば、それなりの事は分かるぞ。それさえもしないという事は、彼らは北朝鮮の人権弾圧について戦うつもりなどさらさらなく、アリバイ作りをしているだけなのです。
日本のアムネスティが北シンパではないかと疑わせる事は更に2つあります。一つは事務局長・寺中誠が設立当時のJCA-NETの役員であり(今はどうだか知らない)、彼のHPのURLもhttp://www.jca.apc.org/~teramako/である事。JCA-NETはほとんど左翼運動用のプロバイダであり、異様に韓国北朝鮮を持ち上げる団体が少なくありません。次のページに、寺中氏がJCA-NETの常任理事である事が述べられています。
「JCA-NET」(市民組織)の正式発足そして何よりも次のページです。
北朝鮮を「共和国」なんて呼ぶ時点でもうアウトだけど、他の疑問点も述べましょう。
「共和国政府と日本は、1970年代に強制的に共和国に拉致され、現在日本を訪れている生存者5人に対し、どこに住むべきか、今後どのようにするべきかなどについて、まず彼ら自身がそのように考えるか、という意思を重んじなければならない。」とアムネスティが言った当初は、アジア情勢に疎いヨーロッパの人権団体のいう事だからと気にも止めませんでした。しかし週金事件をキッカケにネットを検索してみると、日本のアムネスティは限りなく胡散臭い団体である事が分かりました。アムネスティ本部(ロンドン)が、親朝であるアムネスティ日本の意向を受けているのだとすれば、かなり恐い事です。北朝鮮問題を、そして救う会はそういうところにさえ期待をしなくてはならなかった事にも驚きました(まあ国際会議だから、必ずしも日本のアムネスティを指す訳ではないのだが)。
第3回北朝鮮の人権と難民問題国際会議での決議7.アムネスティー・インターナショナル、ヒュウマンライツウォッチを含む国際人権諸団体は、北朝鮮の人権状況のより精密で、より包括的な全体像を描き、提供すべきである。 ※この会議は日本実行委員会と韓国のNGOが共催。日本側実行委員会には家族会と救う会が参加した。 http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Bull/2826/seimei/seimei_140228.html |
で、週金に話を戻すと、日本のアムネスティは人権団体といっても北朝鮮に対してあまり非難めいた事は言わないし、寺中誠などはJCA-NETつながりで面識があるから(週金のHPもJCA-NETです)、週金も安心して記事に出来るのでしょう。
吉田康彦さんほどではありませんが、この人もたまに槍玉にあがる人です(浅井基文のホームページ⇒ 孫の女の子がカワユイ)。反米的な言葉が多いですが、アメリカに異を唱える部分は違和感はありません。問題なのは、反米と有事法制反対を両立させる為に、「北朝鮮擁護」に走ってしまった点です。
ただし日本側には、アメリカが北朝鮮どあまり早く合意してくれては困るという思惑があります。米朝枠組み合意は結構となると、北朝鮮の軽水炉建設に協力するKEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)は勢いよく動き出す。そうすると、国内の「北朝鮮脅威論」には冷水が浴びせられてしまうわけです。有事法制を成立させるでは、北朝鮮を摩詞不思議な国に仕立て上げておかなければいけないという状況は変わらないでしょうね。 |
一九九四年に核疑惑が表面化したときは、アメリカは北朝鮮と開戦寸前までいったようです。アメリカが北朝鮮に対して、寧辺などの核施設を無害化するために攻撃をかける。それに対して北朝鮮か三八度線を越えて反撃し、ソウルを火の海にしたり、あるいは日本にゲリラ部隊を送り込んで原子力発電所などを破壊したりする。そうしたことが予想される緊迫した事態になり、アメリカが一〇五九項目の対米支援要求を日本に突きつけていたのです。 当時、日本政府は国民の目を盗んで、アメリカの要求に応えることができるか一生懸命検討したわけですが、結果的にはなにもできなかった。それは当時、日本に有事法制がなかったからです。 この朝鮮半島での危機は、カーター元大統領が北に飛んで金日成主席と話をつけ土壇場で戦争が回避されたことになっている。しかしもう一つ大きな要因として、日本に有事法制がなかったことがアメリカの戦争継続の妨げになると考え、アメリカが先制攻撃を断念せざるを得なかったと私は思うんです。そうした点からみて私は、今問題になっている日本の有事法制の起点はやはり九四年だと思っています。 その後、日本で合意された新ガイドラインや有事法制について、のなんです。アメリカが他国に先制攻撃を仕掛ける、それに対して日本が協力する。これがいま目指している中身であって、自衛権の行使とは全く別次元のきわめて攻撃的な話なんですよね。 |
これだけだと、浅井教授の学説は中途半端なので、別のページから補足しておきます。
そもそも有事法制の出発点は一九九四年のいわゆる北朝鮮の「核疑惑」だった。北朝鮮の核施設を米軍が破壊する軍事行動を発動する。北朝鮮は反撃し、アメリカに全面協力する日本も標的にする。しかし日本には有事の備えがない。日本に拠点を置くアメリカも大打撃を受ける。したがってアメリカは、北朝鮮に対する攻撃そのものを思いとどまらざるを得なかった。これが当時の状況だった。 それ以来アメリカは、日本に有事体制を作らせ、「戦争する国」に変質させる方針を本気で追求することになった。その結果が新ガイドラインであり、とくに「対日攻撃対処」の部分の念入りな作成だった。しかしその後、対日攻撃対処の受け皿となる有事法制は作られないまま小泉政権となった。 http://www.korea-htr.com/jp/971980/97309kk.htm |
有事法制についての是非はおいておきましょう。とにかく浅井センセ―は、米朝戦争が起きなかったのは、日本に有事法制がなかったのが大きいと思っている。しかし事態はそれで終わらなかった。この94年を転機に、アメリカは日本に有事法制を作らせようと圧力をかけだした。でも日本人は暢気だから、自分から有事法制なんか作ろうとしない。そこで「北朝鮮の核の脅威」というものを燃料にして、有事法制へ突っ走っていった。
そういう見方もアリかなとは思うけど、浅井センセの論に説得力を持たせようと思ったら、クリアしなければならない問題がある。それは「北朝鮮の核疑惑がウソである事を証明しなくてはいけない」という事。だってそうでしょ。94年時点での北朝鮮の核疑惑がホントだったら、「なんだ、アメリカの見込みはあってたんじゃん」という事になり、そうしたら「アメリカが日本にやらせようとした有事法制も止むを得ないものなんだね。」と将棋倒しに論が崩れてしまいます。
という訳で、浅井センセにとって、北朝鮮が摩訶不思議な国であってはならず、常識的な国に仕立て上げておかなければいけないという状況に陥ります。だから北朝鮮が変な事をやらかした場合、意識的にか無意識にか、やたらと北朝鮮を擁護するようになります。
以下、浅井センセの北朝鮮擁護論を色々なHPから引用しておきます。「核疑惑はデッチ上げ」とまで言い切っているのは流石に無いけれど、これらを読めば「北朝鮮は核なんか持っていない! 持っていないで欲しい!」と思っていた事はビンビンに伝わってきます。現実を観察した上で理論を構築しているのではなく、理論が先にあって、それに都合が良いように解釈してるのですね。
アメリカの軍事戦略と有事法制それから不審船、拉致、瀋陽の事件が有事法制との関りで利用されていることは間違いないと思います。不審船を見ろ、拉致を見ろ、だから北朝鮮は危ない国だ、だからそれに対して備えるのは必要である、という議論は使われていると思います。それから瀋陽の事件にしたって、日本の主権侵犯だというところが、これは詳しくお話している余裕はありませんが、いわゆる故意に主権侵犯したという事件ではないと思います。そこをまったく取り上げないで、主権侵犯と言って、中国とはけしからん国だというのは、これ自体が有事法制を正当化する材料作りになっているということではないですけれど、やはり北朝鮮とか中国という怪しい国がいる以上はそれに対して何かやるのはしょうがないではないか、という世論を形づくるのには利用されているのは間違いないと思います。 http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/usa/file28.htm |
新ガイドラインは何をもたらすかところが独り日本だけは、北朝鮮に対する警戒感が政府関係者、国会議員、マスメディアなどによって公然と表明され、国内的にも抵抗感なく受けとめる国民的雰囲気がある。この不信感の根拠とされるのは、1983年のラングーン事件[xviii]、1987年の大韓航空機事件[xix]、繰り返される北朝鮮工作員による韓国領域への潜入事件等に加え、日本では特に北朝鮮による「拉致疑惑」事件[xx]、「核疑惑」(前出)、ノドン・テポドン発射実験(前出)、そして1999年3月に起こった「不審船」事件[xxi]などである。 しかし、日本政府の北朝鮮に対する強硬姿勢に対しては、内外に強い批判がある。国内では、北朝鮮は日本政府が戦後処理を行っていない唯一の国家であること、日本国内で戦前から扶植された朝鮮蔑視感情を温存させる傾向、新ガイドラインを正当化するために北朝鮮を「脅威」として喧伝する日本政府の基本姿勢等が主なものだ。国際的には、以上の「事件」解明が先決として、北朝鮮にことさらに厳しい態度をとる日本政府に対しては、韓国はもちろん、アメリカ政府からさえ批判の声が聞こえてくる[xxii]。 ・・・(中略)・・・ [xx] 70年代から80年にかけて10人の日本人が行方不明になる事件が起こった。これらの事件には北朝鮮の工作員が関与しているのではないかとして、「拉致疑惑」とされている。日本政府は、この問題について北朝鮮政府が責任ある回答を行うことを、「核疑惑」、ミサイル発射問題とともに、日朝国交正常化交渉の前提条件としてきた。北朝鮮赤十字スポークスマンは、98年6月に行方不明者の1人も探し出せなかったという声明を発表して、事件への関与を否定した。 http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/japan/file26.htm |
日本の進路:平和大国か軍事大国か1.「アメリカ善玉論」について 80年代の規制緩和政策により市場原理が経済を支配するようになったが、この市 場原理主義については、国際的投機家であるジョージ・ソロスでさえ、「市場原理主義は、非人道的であり、社会的正義に欠けている。これは、環境・平和といった人類 共通の価値を代表するものではない」と痛烈に批判している。従来のように経済面で アメリカに追随していたのでは世界はダメになる、というのが国際世論であり、ユー ロの誕生もヨーロッパが自らの生き残りを目指す動きである。経済の面でデタラメな アメリカが軍事の面で正しい、などということはあり得ない。 4.「北朝鮮脅威論、中国悪玉論」について 核があり、ミサイルがあっても、核ミサイルにはつながらない。現在の北朝鮮の技術では核による攻撃は全く不可能である。そのことは自衛隊も承知している。現在「 領域警備」が問題になっているが、これは、アメリカの攻撃に対して北朝鮮のゲリラ が日本に上陸することを想定したものである。アメリカからの攻撃なしにゲリラが上 陸することなどあり得ない。また、改革開放が成功したとはいえ一人当たりの国民所得が1000ドル程度の中国が戦争を望むなどということはあり得ない。 ・・・中略・・・ アメリカにはアジアのナショナリズムの軽視がある。アメリカが先制攻撃をすれば 、日本は確実に攻撃の対象になる。核による反撃、原発の破壊なども予想される。 http://ha5.seikyou.ne.jp/home/kumiai-n/asai.htm |
北朝鮮は「お化け」でしょうか?・・・・北朝鮮を「お化け」とする雰囲気をなんとかして払拭する必要がある、そうしないと有事法制を防ぐ国民的意識が育たない、とすら感じます。 「不審船」といえば、北朝鮮を連想する人が多いのです。そして「なにをするか分からない北朝鮮」に対する警戒感と結びつくのです。多くの日本人にとって、北朝鮮はまるで「お化け」です。昨年12月に大々的に報道された不審船撃沈事件は、そういう多くの国民の心理に強烈な印象を与えるものでした。 この事件については、いくつかの重大な問題があります。その船舶は日本の領海の外で航行していただけなのに海上保安庁の何艘(一説では20隻!?)もの巡視艇が出動して停船を命じたこと、命令を無視したことを理由に射撃を開始したこと、相手が反撃すると集中砲火で沈没させたこと、そしてこれらすべてが公海上で行われたこと、などです。 海上保安庁法によれば、射撃が認められるのは、その船舶が「無害通航ではない航行を我が国の内水又は領海において現に行っている」場合に厳格に限定しています。政府はまた正当防衛と主張しました(安倍官房副長官)が、巡視艇が先に砲撃したのですから、正当防衛は成り立つはずがありません。 http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/korea/file11.htm |
北朝鮮問題を考える視点2.「北朝鮮=悪の権化」でしょうか 私は、過去の北朝鮮のことについて議論するつもりはありません。過去の北朝鮮がどうであれ、重要なことは現在の北朝鮮がどうであるかであり、これからどうなるかであります。ようするに、北朝鮮は変わりっこない、という見方はおかしいのです。 どうしても過去のことにこだわり、「北朝鮮=悪」だと言い張りたい方に考えてほしいのは、「それでは日本はどうなのだ?」ということです。日本は平和愛好国家であり、日本人は平和な民だ、と私たちは思い込みがちです。しかし、その日本はほんの60年近く前までは近隣諸国を侵略し、暴力の限りを尽していた国家であり、その国家に従っていた国民だったのです。日本については「あれは過去のことだ」と涼しい顔をして、北朝鮮に関しては「悪の権化」「変わりっこない」と決めてかかるのは、どう考えてもおかしいことではないでしょうか。 これらのことから私たちが謙虚に学ばなければならないことは、あるがままの北朝鮮を認識し、その北朝鮮と接するということの重要性です。私自身、朝鮮の専門家でもなんでもありませんが、米朝交渉の経緯を比較的詳しくフォローしてきた実感として、アメリカと堂々と渡り合う北朝鮮にしっかりした手応えを感じています。韓国、アメリカ、EUなどが以上のような対応をしているのは、きわめて納得のいくことなのです。 http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/korea/file10.htm |
北朝鮮ミサイル実験それだけではない。テポドン発射に際しては、多くの国民の恐怖心をいたずらに煽る報道に走る始末である(私は大学での講義における学生からの質問や様々な集会に伺う際に必ずと言っていいほど出くわす発言から、テポドンに関するマスコミ報道が「北朝鮮は脅威だ」という印象を如何に多くの国民に植え付けているかを思い知らされている)。 正確を期して言えば、人工衛星打ち上げであろうと、ミサイル発射実験であろうと、その軍事的意味は変わらない。日本の衛星打ち上げ能力(特に重い物体を高い宇宙空間に正確に打ち上げ、静止させる能力)について、国際的には日本が核ミサイル(ICBM)開発能力を獲得したと評価されるのと同じことだ。 マスコミのいい加減さは、自国(大国である日本)のやっている衛星打ち上げが国際的にどう見られているかについては厚かましいまでに無頓着であることだ。日本が確実に国際的警戒感を高める道を歩みつつあることを無視し、ただひたすら北朝鮮のテポドンをあげつらう。 北朝鮮からすれば、いつ何時アメリカとぐるになって襲いかかってくるかもしれない日本の軍事大国化に対抗するためになけなしの金をつぎ込んででも、という心理状況にあることを、マスコミは全く一顧だにしようとしないのである。いつになったら日本のマスコミは権力批判の先頭に立ち、主権者である国民に対して真実を伝えるという、本来の存在理由に立ち返るのだろうか。 http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/korea/file03.htm |
どうでしょう、浅井センセの思想が、少しは分かってきましたか? 浅井センセは、「はじめに北朝鮮マンセーありき」ではないのです(「共和国」とも呼ばないし)。センセの反米理論、有事法制反対の理論を強化する為には、必然的に北朝鮮がごく常識的な国でなくてはならないのです。北朝鮮が危険な国だったら有事法制化論が説得力を持ってしまうのだから必死です。北朝鮮からの先制攻撃は決してなく、先制攻撃をするのは必ずアメリカでなくてはならない。北朝鮮には核疑惑よりも、アメリカが圧倒的な軍事力を背景に北朝鮮に対し脅しをかけているのが問題だ。不審船の件だって、結局は日本が悪かった事になっている。有事法制を止めるためには、何が何でも北朝鮮が悪であってはならないのです。
しかし現実には北朝鮮は核をもっていた。その時の言い訳は何か。週金本紙から引用です。
北朝鮮が濃縮ウラン製造施設を持っているのは、確かに国際法違反で、米朝の枠組み合意やNPT(核兵器不拡散条約)にも違反する。しかし実際問題としては、アメリカのペリー元国防長官が述べているように、遠心分離装置による濃縮ウランの抽出は技術的に難しく、そう簡単に成功するものではありません。この問題で大騒ぎするのはためにするものです。 |
救いようが無いとは正にこの事です。目の前の現実でさえ、浅井センセを変える力は無いのだ。。。現実に核を持っていると分かると、「いや、それは簡単に成功するものではないから、問題無いんだよ」という風に、理論を微修正する。技術的な事は時間をかければ克服されてしまうのだから、浅井センセのおっしゃる事は全く説得力が無いのですが。。。
浅井先生は以前にも同様の論法を使っています。テポドンについてです。
新ガイドラインは何をもたらすか[xi] 弾道ミサイル攻撃が加えられた背景についても若干説明しておく必要があるだろう。「弾道ミサイル攻撃」というと、直ちに北朝鮮のノドンやテポドンによる核攻撃を思い浮かべる人が多いことは、新聞やテレビといったマスメディアの無責任を極めた報道の影響が大いに力があって、多くの集会に伺っている私が実感させられることだが、これは見当はずれも甚だしい。ノドン、テポドンの命中精度の低さ及び搭載能力の低さは軍事専門家の間では常識である。 多くの読者が簡単に目に触れることができることを考慮して、ここではとくに99年8月28日付の朝日新聞に掲載された「一から分かるテポドン」という記事を紹介しておく。同紙の軍事専門家である田岡俊次氏が書いたものだ。それによれば、日本のある原子力発電所をめがけてテポドンを発射した場合、「四万五千発発射すれば一発が命中する確率だ」とあるし、「長崎に投下された最初のプルトニウム原爆(ちなみに北朝鮮が開発を目指しているといわれるのはこのタイプ)…は重さ四・九トン…もあった。そんな巨大なものではミサイル弾頭にしにくい(筆者注:小型化するためには核実験を積み重ねることが不可欠であるが、北朝鮮が核実験を行ったということは、北朝鮮にもっとも疑惑の目を向けているアメリカ政府すら一言も触れたことがない)」ともある。要するに、新ガイドラインが「弾道ミサイル」攻撃をわざわざ取り上げたのは、北朝鮮を念頭に置いたものでないことは明らかだ。 http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/japan/file26.htm |
とにかく北朝鮮が、(浅井センセの意に反して)色々とヤバい事を仕掛けてくると、浅井センセはこの種の論法(「いや、北朝鮮の軍事力は問題無いんだ」)で逃げようとします。本当に爆弾が落とされたとしても、北朝鮮を擁護し続けるんだろうね。それにしても今、命中の精度が低いからといって将来もそうとは限らない。それに原発にスポット的にあてるのは45,000分の1という数字は、そもそも田岡俊次はどうやって計算したんだ? それに東京23区内、日本領土内と範囲を大きくすれば、確率は1に近づいていく。「原発に当たらないから安全」なんて事は絶対にない。この時点では、浅井センセはまだ北朝鮮が核を持っているとは思ってなかったみたいですね。よくここまで北朝鮮の軍事力につして都合の良い解釈が出来るものです。
週金本紙に戻ります。とにかくこの人の反米論は延々と続きます。北朝鮮論は一部の左翼にしか通用しないものなんだけど、反米論は必ずしも変なものではなく、次の段落なんかは石原慎太郎が言ってもおかしくありません。
日米協調とか日米友好とか言いますけど、実際のアメリカはとってもしたたかだと思うんですよ。それをファーストネームで呼び合える仲だと喜んでいるところに、日本の政治家の幼稚さ、狭量さ、刹那性というものを見ますね。要するにアメリカの恐さを分かっていないんですよ。 戦後五〇年の間に、日本の政治も経済も意識までもが、アメリカ的なものに支配されてしまったという感じがします。その通りだと思いますね。アメリカ神話というか、日本がアメリカ製日本になったという状況ではないでしょうか。 だから、アメリカが自己破綻を遂げないと私たちも目が覚めないということになりかねない。困るのは、アメリカが破綻したら日本も破綻することは火を見るよりも明らかなことです。今の日本は四面楚歌の状態ですよ。この状況を脱するには、理屈抜きのアメリカヘの追従、これをまず清算することが第一だと思いますね。それな くして、アジア諸国に対して目を向けるということも不可能です。 日本は世界の大国なんですよ。性根を据えて主張すれば、アメリカだって聞かざるを得ないだけの実力を持っている。国民の覚醒があれば、すべて事態が好転すると思うんです。 |
もっとも次の段落ですぐに馬脚を現してしまいます。
その覚醒がないと、結局、総選挙で自民党は嫌だけど、自民党に代わる政党として共産党に投票するという思い切った選択をしない。そういう国民性ですね。しかし共産党が総選挙で五〇議庶以上を得て、予算案提出権を得る、それぐらいの力を持てば、目に見える変化が起こると思うんです。年末年始にかけて、どのように国際情勢は動いていくのでしょうか。 |
・・・だれか、自民の代わりに共産に入れた人っている? 石原都知事の例えを引用すると、共産党はあくまで「カレーの中の福神漬け」だから良いのであって、ライスの上に福神漬けがドバーってかかったものを食べる人など、そうそういません。結局この人は、(社民ではなく)共産が好きなんですね。
ちなみに、浅井さんは、中核派をはじめとする過激派の救援団体「救援連絡センター」ともお付き合いがありそうですよ。詳しくは、石田ビル4階とは何か? 〜救援連絡センターと中核派〜 を読んでね。一番下に浅井さんが登場します。あと、百万人署名運動の呼びかけ人もやっていますね。
一一月★日北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の粒致事件に関する報道の過熱ぶりは常軌を逸していないか? ワイドショーなんかすっごく張り切ってるぞ。かけがえのない個人の人生と人権が、政治的取引と力学の素材とされていることを、どうしてメディアはもっと正面から伝えない! |
私もワイドショー的な拉致報道には嫌悪感を感じています。でも「じゃあ、落合恵子氏と同じ意見だね!」という事にはなりません。「かけがえのない個人の人生と人権が、政治的取引と力学の素材とされていることを、どうしてメディアはもっと正面から伝えない!」という文章に隠された意図があると思われるからです。短い文章なので分かりづらいですが、落合氏は以下のような事を言いたいんだと思う。
かけがえのない個人の人生と人権が、政治的取引と力学の素材とされている。この文章にはどうにもこのような論理が見え隠れするので、中立的な立場で被害者を思いやって書かれた文章であるとは、私には思えません。後の投稿欄で中西由多嘉さん(86歳)が、この事をズバリと書いていてくれてます。
日朝交渉のカードに使うな 中西由多嘉(86歳)北朝鮮に拉致された被害者が帰国してから、テレビ・新聞は連日、彼らの動静を報じている。しかし、そのほとんどが北朝鮮に返さないという日本政府の方針を是とし、彼らの子どもたちを日本に寄越せと主張している。拉致帰国者たちの言動から、早く帰って子どもたちに逢いたいという思いが伝わってくる。にもかかわらず、彼らの親たちまでが帰さないと態度を堅くしている。 こんなことを長く続けていたら、彼らとその親たちとの精神の断絶を来すことになるのではないか。政府が彼らを人質にとって国交正常化交渉を有利に進めようという策略は、幼稚であるし、人権弾圧でさえあるだろう。 政府はこそくな手段をやめ、速やかに彼ら拉致帰国者を北朝鮮に戻し、日本に永住するか、北朝鮮に永住するかを、彼ら自身に決めさせるべきである。私は先の大戦のさい、新聞やラジオによって毎日叫ばれていた「一億一心火の玉だ」というスローガンを思い起こして、寒気がした。 |
このおじいさん、カードという言葉の意味を理解していませんね。国語辞典にもこの用法は載っていないんだからしょうがないか。大学では数学をやってきたこの私奴(わたくしめ)が、中西さんの為に正しい用法をお教えして差し上げます。
つまり被害者をカードとして使っているのは朝鮮の側なんです。日本としては、被害者家族が日本に帰ってきたところで、それ以上の意味はありません。このおじいさんは、「カード」と「カードを切る事によって得られる果実」を混同しているだけなのです。あと北朝鮮の極端な金親子崇拜を棚に上げて、日本についてだけ「一億一心火の玉だ」を言うのもどうかしている。
中西さんの過去の投稿を挙げましょう
拉致被害者の意志のみを尊重しよう 藤田稔(48歳) 大学教授日本に帰国した北朝鮮による拉致被害者が日本にそのまま留まることになっているが、その表情は明るいとは言えない。私は被害者が気の毒でならない。 被害者は粒致された後、艱難辛苦を乗り越えて今日の北朝鮮における地位・キャリア・生活を築き上げたものと思う。想像を絶する苦労であったろう。ところが被害者の家族会や日本政府が、日本への永住帰国を強いれば、被害者にとっての二十数年ぱまさしく無価値とされることになろう、日本において、濃密な家族の感情に縛られながら、ひたすら家族と日本政府に依存し、マスコミの好奇心にさらされる毎日が続くのではないか。 北朝鮮に育ち、突然、親から直接話を聞くまでもなく、半強制的に日本への移住を強いられる子どもたちの気持ちはどうなのか。自分がその立場なら、簡単には日本への移住を受け入れないであろう。 日本国憲法二二条は、日本国民に明確に海外への移住を権利として認めており、家族であろうとこれを侵害することは許されない。私は、日本政府は国交正常化交渉の申で、日本人妻を含めて、すべての北朝鮮在住の日本人とその家族が、現在の中国なみに日本と自由に往来できるように強く要求すべきであると思う。日本に永住帰国するかどうかは、あくまで拉致被害者のみの意志に基づき、被害者自身が決定すべきことである。 |
私も藤田さんと同じように考えた時期もありましたが、「現在の中国なみに日本と自由に往来」なんて事を要求しても通る可能性は非常に小さいので、政府の措置も止む無しです。そもそも法律の専門家が、日本国憲法の移住の自由と、北朝鮮の拉致を並列に論じてどうする。「移住の自由」が穢れます。それに「移住の自由が無い国」に、被害者を連れていくのも、間接的に移住の自由を迫害する事になると思うのだけど。
藤田教授もそうですが、北朝鮮擁護論者は、「北朝鮮について一般論で語る」という戦法をとっています。「一般論で言えばそうなんだけれども、北朝鮮についてはそれが適用出来ないから、困っている」のです。藤田教授のような輩に騙されてはいけません。
あと北朝鮮関連では二つほど投稿が載っています。一つは「北朝鮮と日本の類似点」。最高権力者が世襲によるものかどうかが「ちょっと似ている」そうです。まあ戦前の皇室と金正日体制を擬えるのも悪くない試みだとは思う。ただ日本の場合は、アメリカに占領されたにも関わらず「象徴天皇制」として生き残ったけど、金正日体制が崩壊したら、金正日は死刑になるか亡命するかありません。そこは「似てない点」です。
もう一つは、「過去も現在も、大切なのは悲劇を繰り返さないこと」という在日朝鮮人の投稿。投稿者の立場を考えれば、バランスはとれていると思う。要旨を箇条書きで示すと、以下の通りです。