2011年1月26日 13時22分 更新:1月26日 13時35分
「1票の格差」が最大5.00倍だった昨年7月の参院選は憲法の定める選挙権の平等に反するとして松江市内の男性が選挙無効を求めた訴訟の判決が26日、広島高裁松江支部であった。中野信也裁判長は、選挙は有効として請求を棄却したが、1票格差の現状を「違憲状態」と判断した。定数是正に向けた議論に影響を与えそうだ。
同参院選での議員1人当たりの当日有権者数は、全国最少の鳥取選挙区と最多の神奈川選挙区との間で5.00倍の格差があった。鳥取と島根選挙区との間では1.22倍だった。
同参院選の同種訴訟は8高裁・6高裁支部であり、昨年11月に東京高裁が違憲判決を出したほか、高松高裁も今月25日、「国会の裁量権の許される限界を超え、違憲の瑕疵(かし)を帯びていた」と判断した。また、広島高裁▽同岡山支部▽東京高裁▽仙台高裁▽同秋田支部▽福岡高裁那覇支部が「違憲状態」としていた。合憲判決もあり、最高裁が統一判断を示すことになる。
選挙無効訴訟の1審は公職選挙法により高裁で審理される。【宮川佐知子】