岩手のニュース

岩手・県北 「海の人」助けたい 内陸住民、支援に全力

避難住民の要望を聞き取るボランティア=17日午後1時45分ごろ、岩手県岩泉町の龍泉洞温泉ホテル

 岩手県北部の岩泉町と田野畑村。沿岸には津波の爪痕が残るが、被害が少なかった内陸に住む人たちによる支援が本格化してきた。住民同士の支え合いが、避難住民を勇気づけている。
 岩泉町は小本地区に津波が襲来。693戸のうち約130戸が損壊し3人が死亡した。住民335人が、内陸に約20キロ離れた役場周辺のホテルなどに避難した。

 町はボランティアセンターを設立。17日までに町民90人が登録して活動している。避難所で一人一人に話し掛け「家屋のがれきを片付けてほしい」「飲料水が足りない」などの要望を聞き取る。
 ボランティアの佐々木真人さん(44)は「町内放送を聞いて駆け付けた。力仕事しかできないが役に立ちたい」と張り切る。町総務課は「内陸部の住民のサポート態勢は万全」と話す。
 人口約3800の田野畑村。沿岸の島越、羅賀、明戸の3地区の計148戸が津波にさらわれた。17日までに13人が死亡、26人が行方不明となっている。

 避難した644人は、海岸から約5キロ離れた役場近くの文化施設で生活する。支えるのは、内陸側に住む村民だ。
 24行政区の区長が話し合って避難所を運営。村民が炊き出しを交代で行ったり、行方不明者を捜索する消防団員への食事を作ったりしている。避難住民も5班に分かれ、清掃や給油を手伝う。
 避難所を担当する村社会教育課の工藤ヒロ主幹は「海の人が困ったら山の人が助けるという、地域の結びつきを生かしたい」と話した。
(古賀佑美、野内貴史)


2011年03月19日土曜日


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