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ツンデレとは何なのか? 02
『ツンデレとは何なのか?』 byスミマサノリ
「怒濤のツンツン攻撃が始まった」
何もオーダーしていないうちに行ってしまったので、とりあえずもう1回妹を呼んでみた。
まずは飲物を頼みたい。
しかし、
何度呼んでも全然こっちに来てくれない。
かなり大きな声を張って(相当恥ずかしい)大きく手を振ったらようやく来てくれた。
「忙しいの見て分かんないの?」
あきらかにイライラした口調である。
僕が見ていた限り、全然忙しそうではなかった。
でも、そんなことを言ったらまた怒って帰ってしまうので「あ、すいません」と謝る。
妹「で、何よ?」
住「あ、ドリンクを…」
妹「ドリンク? 面倒臭いんだけど」
住「面倒臭い?」
妹は面倒臭いらしく、なかなか注文を聞いてくれない。
とにかく、「妹のオリジナルドリンク」を頼むことにした。
「妹が好き勝手に作る飲物。味はリクエストしてね」と書いてある。
住「ちょっと甘めのジュースがいいんですけど…」
妹「面倒臭いって言ってんでしょ」
住「そこをなんとか」
妹「どうしても欲しいの?」
住「ええ、どうしても」
妹「じゃあ、お願いしてよ」
深々と頭を下げた。
すると、しばらくして…、
「じゃあ、考えとく」
と言い残してまた行ってしまった。
あれだけお願いして、結果「保留」である。
この時点で、「僕は客だ」という意識はなくなっている。
なんとかしてあの不機嫌な妹にドリンクを作ってもらいたい。
5分後、今まで見たことのないような色をしたドリンクを持って妹がやって来た。
なんだろう、この不鮮明な青は。
こんなに濁った青色は今まで見たことがない。
住「これ、何ですか?」
妹「……」
基本質問には応えない。
それが妹のポリシーなのかもしれない。
仕方ないので飲んでみた。
もの凄く甘い。
シロップをそのまま飲んでいるような感覚だ。
こんなの飲んだら糖尿になってしまう。
全然飲めないでいる僕の姿を、妹がずっと見ている。
カウンターに肘をつき、面倒臭そうだ。
あんな立ち姿が似合うのは、この妹と関口宏さんくらいだろう。
関口宏さんみたいですね、と言って笑いを取ろうと思ったが、きっと妹は関口宏さんを知らない。
余計なことを言うのはやめといた。
妹「何、残してんのよ」
妹が怒ってきた。
住「いや、糖尿になっちゃいますし…」
妹「……」
怒った妹は再びプイッとして行ってしまった。