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長野県内ニュース

栄村、生活再建手探り 県北部地震 連休一時帰宅で片付け 3月20日(日)

被災した島田さん(左)の自宅の片付けを手伝う次女の酒井さん

 県北部地震で約1600人の避難生活が続く下水内郡栄村で19日、地震発生後初めて週末の一時帰宅が可能になった。3連休の初日で村外の親族らも駆け付け、家の片付けを進める世帯もあった。ただ、家屋や家財の壊れ方は予想以上。一人暮らし世帯などではどう生活を再建するか、途方に暮れる人もいた。

 同村青倉で一人で暮らす島田マツさん(76)は、飯山市に住む次女の酒井厚子さん(45)と一時帰宅した。酒井さんはキノコ農家の仕事が忙しく、手伝いに来たのはこの日が初めてだった。

 酒井さんも高校生まで暮らした木造2階建ての住宅は、階段の踏み板が割れ、内部の壁も壊れていた。応急危険度判定で「危険」。散乱した食器やガラスの破片などを片付けたが、「修理して住めるレベルじゃないと思う」と酒井さん。結婚後もたびたび里帰りし、「村とのつながりを感じる大切な場所」。被害の状況に「今後どうしたらいいのか見当がつかない」とショックを受けていた。

 同村北信の一人暮らしの女性(85)はこの日、村外に暮らす子どもたちの都合が付かず、一人で自宅に戻った。夫は24年前に他界。12年前に夫の母親も亡くなって一人で暮らす家は、室内の土壁が崩れ落ち、柱は傾き、玄関はきちんと閉まらなくなった。

 家をどうするか、子どもたちとの相談はこれからで不安は募るばかりだ。「独居はもう無理」。片付けを終え、薄暗い室内のいすに腰掛けると、涙がこぼれた。

 高齢者の中には、村外の子どもや親類の元に身を寄せる人が出始めている。この女性は、先が見えない避難所暮らしに「体も心もきつい」と打ち明けた。


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3月20日(日)の県内ニュース

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