3月20日のながさきニュース
|
長崎新聞
|

|
避難生活ストレスに長期支援必要 長崎大・高橋教授が最終講義

| | 「東日本大震災で今後は避難生活のストレスで亡くなる人の増加が心配」と話す高橋教授=長崎市、長崎大 |
今月で定年退職する長崎大学工学部の高橋和雄教授(65)=環境システム工学=の最終講義が19日、長崎市文教町の同大であった。東日本大震災に触れ「今回は想定以上だったが、どの地方都市でも起こり得るマグニチュード(M)7クラスの地震対策が遅れている」と問題視した。
高橋教授は1982年7月の長崎大水害を機に、自然災害や防災対策を研究。雲仙・普賢岳噴火災害や阪神淡路大震災などで、被災者への聞き取りを基に復興計画や被災者の生活再建に反映させてきた。
高橋教授は、新潟県中越地震の例を挙げ「避難生活のストレスで亡くなる『災害関連死』は多い。仮設住宅に入っても被災者のプレッシャーは強く、長期的支援が必要」と強調。さらに「長崎は九州で最も地震が多い。阪神大震災では建物倒壊で多くの犠牲者が出ており、耐震補強が被害を軽減する」と提言した。復興計画策定に携わった普賢岳噴火災害について「ボランティア活動のノウハウなどその後の災害復興に応用された。災害から立ち直る住民の素晴らしさを学んだ」と振り返った。
講演後、高橋教授は東日本大震災の災害関連死防止について「ノウハウを持っている専門家を早く現地に投入すべきだ」と述べた。今後は普賢岳噴火20年の調査や防災に関する講演・執筆活動に当たるという。
|
|

|

|

|
「龍〜なが」アクセスランキング
|

|
|