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東日本大震災:存在感増す山形空港 米軍ヘリ拠点/臨時便座席増 /山形

 ◇県・航空会社、調整に四苦八苦 駐機場狭く過密運航

 東日本大震災で発生翌日から24時間態勢の運航が続いている山形空港。今後は米軍の輸送用ヘリの燃料補給拠点となる見通しで、増加する避難者のために航空会社も増発した臨時便の機材を大型化させる。空港の存在感は増している。しかし、空港の駐機場が狭く、山形空港事務所は「超過密スケジュールで、これ以上、離着陸の回数を増やすのは不可能」と頭を悩ませている。【林奈緒美】

 山形空港を管理する県は、米軍による災害救援のための空港施設利用に協力するよう、防衛省から14日に要請された。陸上自衛隊第6師団(東根市)によると、山形空港を利用している米軍は沖縄駐留の海兵隊第3海兵機動部隊で、滑走路を共有し空港に隣接する陸上自衛隊第6飛行隊飛行場を使う。米軍は被災地へ救援物資を運ぶヘリの燃料補給拠点にする予定で、15日から空軍の輸送機やタンクローリーでヘリの燃料を運び込んでいる。

 一方、宮城県などから避難する人々は空港に殺到。日航は定期便4往復と別に臨時便を増発しており、17日以降は大阪、東京、札幌へ臨時便だけで11往復の計15往復を運航している。それでも山形発の全便が4月上旬まで満席、到着便も3月末までほぼ満席という。19日からは、このうち東京行きの臨時便1往復を従来の150人乗りの小型機から237人乗りの中型機に変更した。

 1日当たりの乗降者は地震発生前の10倍以上で、16日には1日約2000人が利用した。山形空港ビルの福島得二社長は「乗客の9割は宮城県から避難する人たち。1週間前には唯一の東京便がなくなってしまうのではと関係者と協議していたばかり。うそのようだ」と驚く。

 吉村美栄子知事は乗降者やキャンセル待ちで混雑する山形空港を17日に初めて視察。枝野幸男官房長官から直接電話を受け「仙台空港が被災している中、山形空港に頑張ってほしい」と要請されたことを明らかにした。しかし、飛行機やヘリの想定外の過密運航に、17日には東京発山形行きが「駐機スペース不足」として、羽田空港に引き返す事態も起きており、県や航空会社も、調整に悩んでいる。

毎日新聞 2011年3月20日 地方版

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