和歌山

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ほいでよ:街を動かそう /和歌山

 記者生活振り出しの5年間を岩手県で過ごした。沿岸にも取材や遊びで何度も足を運んだ。しかし、思い出にあふれた光景は、地震後のテレビ画面にはなかった。気分が沈み、当初はお酒を飲む気分にもなれなかった▲和歌山市の歓楽街に閑古鳥が鳴いている。運転代行業者は「地震以来、めっきりお客が減った」と話す。イベントなどの中止が相次ぎ、あるホテルは宿泊キャンセルが数百泊分寄せられた。「不謹慎だから」「被災者を思うと」。街全体を自粛ムードが覆う▲その気持ちは理解できる。だが、それでは被災地を救う社会の元気や活力も生まれない。地震被害や計画停電などで苦境にある東日本を支えるのは、西日本の使命だ。今こそ、街を動かし、経済を回そう。塗炭の苦しみの中にある被災者を思いながら。【岸本桂司】

毎日新聞 2011年3月20日 地方版

 
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