タイガースが遠征する札幌に3人、東京に1人、残り4人は大阪…。普段とはまったく違う取材シフトです。
「第83回選抜高校野球大会」(23日開幕)のため甲子園球場を離れる阪神はこの日、室内で練習した後、日本ハムとのオープン戦(20、21日)が行われる札幌に向かいました。関西空港と神戸空港から2便に分かれての移動。関空からは編集委員上田雅昭とサブキャップ川端亮平、神戸からは小松真也が同行です。
いつもは5、6人がゾロゾロとついていくのですが、今は、そうもいきません。川端は関空出発前、「先が見えませんからね。僕らも、今開かれているセの理事会が終わったら、新井選手(プロ野球選手会会長)の話を到着後に聞かなくちゃいけないし…」。
予想通り、理事会ではセが開幕を3月29日に延期すること、延長は行わないことなどが決まり、札幌に到着した川端は上田とともに取材に走り回りました。
「しようがないですよ。オープン戦が始まったころは“最後は北海道だなぁ”と思ったりしていましたけど、今はとてもそんな状況じゃないですから…」
一方、東京ではキャップの堀啓介が、セ理事会が行われている場所に張り付いていました。「場合によっては、札幌に行かずそのまま東京で取材を続けろと言われています。とりあえず3・29開幕の方向は決まったけれど、僕はたぶん、しばらくこっちですね」
大阪に残った高瀬悟嗣らも、練習からの原稿(城島選手は20日の試合で捕手として先発出場し、7イニング守る。金本選手も守備に就くかも−など)を書き上げた後、阪神球団首脳の取材に走りました。
そんなタイガースの選手や取材陣とすれ違うように大阪に入ってきたのが、宮城県仙台市の東北高野球部。仙台空港が復旧していないため、昼過ぎにバスで学校を出発。山形空港に陸路移動して大阪へ。計約9時間かけて宿舎に到着しました。
アマ担当の栃山直樹によると、部員56人にけがはなかったそうですが、野球部の寮は電気や水道が止まり、食事は1日2食。11日の地震発生後、部員たちは、避難所になっている近くの中学校で炊き出しや給水活動を手伝っていました。
この日甲子園練習を行った茨城県水戸市の水城高も、震災後は実戦練習がほとんどできなかったそうで、取材した西垣戸理大によると、橋本実監督は「まったく(部員の体が)動かなかった」と苦笑い。東北高の疲労度も相当のはずです。それでも五十嵐征彦監督は「こういう状況の中で出場させていただき、感謝しています。できる100%のプレーを被災地のみなさんに見せたい」と意気込みを語ったそうです。
東北高は大会6日目に大垣日大高(岐阜)と対戦します。雨天中止などがなく順調に日程を消化していけば28日です。
がんばりましょう。東北高は少しでも調子を取り戻して、大垣日大高も雰囲気に気圧されることなくプレーして、いい試合を見せてください。
阪神も、オープン戦はこの2試合が最後なんだから、高校球児に負けずにええとこ見せてや。頼んまっせ。