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東日本大震災:県北部地震 被害の栄、水道復旧の見通し立たず /長野

 ◇村民1500人が避難所生活 破損箇所確認に時間

 中越地方を震源とする12日未明の地震から1週間が経過した。最大震度6強の揺れに襲われた栄村では、19日も約1500人の村民が7カ所の避難所に分かれて生活する。日中の一時帰宅が許可され、復興の兆しもみえてきたが、断水が続く水道は破損箇所の確認に時間がかかり、復旧の見通しは立っていない。【小田中大】

 村によると、村内15カ所の水源を確認したところ、中条川の土砂崩落の影響を受けた森地区以外の14カ所は、水源自体は無事という。村は水道管から漏れているとみて調査しているものの、多数の箇所で破損している可能性が高く、「人海戦術をとって復旧を急ぐしかない」という。

 一方、余震は12日の185回をピークに減少し続け、18日は体に感じる地震は10回まで減った。15日以降は震度4以上の地震も観測していないという。村は20日にも災害対策本部会議を開き、専門家の意見を踏まえて今後の避難指示解除に向けた対応を協議する予定だ。しかし、断水が続くため、島田茂樹村長は「戻っても水がないと困るので、対応を考えている。各家庭を給水車で回るのも大変だ」という。村役場に避難している山本千津子さん(62)は「地震が少なくなり大分落ち着きました。でも、水が無いと、家に戻っても掃除ができない」と不安そうに話した。

 ◇ボランティア拠点、復興支援機構設立 足湯提供も

 村では徐々にボランティアの活動が始まっている。活動拠点となる「村復興支援機構」が18日に設立され、現在は約30人が一時帰宅の支援や心のケアにあたる。

 19日は長岡技術科学大(新潟県)の学生ボランティアサークル「VOLT of NUTS」のメンバー6人が役場を訪れ、ショウガ湯の足湯を提供した。メンバーは足湯に浸る村民に優しく話しかけ、手をもんであげるなどした。利用した斉藤恵美さん(82)は「とても気持ち良かった。孫ほどの若い人に助けてもらってうれしいですね」と喜んでいた。

毎日新聞 2011年3月20日 地方版

 
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