2011年3月20日13時43分
午後6時からは炊き出しの鶏きのこ汁が振る舞われた。妻と避難した男性(32)は「温かいものはありがたい。地震の後、落ち着かずに吐き気がしたり熱が出たりすることもあるので、ボランティアのカウンセラーも利用したい」と話していた。
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他の自治体でも19日、避難者の受け入れが広がった。大半は福島県から自家用車で避難してきた人たちという。
朝霞市では、旧朝霞第四小学校の畳を敷いた教室に、同県いわき市の5人家族が受け入れられた。東松山市では市総合福祉センターに、いわき市と同県富岡、楢葉両町の4家族15人が入った。ふじみ野市では、市老人福祉センター太陽の家に2家族5人が滞在している。
■ボランティア申し出に行政側は後手
さいたまスーパーアリーナには、避難所開設が決まった16日以降、物資提供やボランティアの申し出が相次いだ。しかし、前例のない事態に行政側の対応は遅れ、結局、ボランティア側に押し切られる形で受け入れが決まったのは18日だった。
受け入れ側は、すぐに受け入れない理由として、「届いた物資の管理・分配方法が決まっていない」「ボランティアが多すぎると混乱しかねない」などと説明していた。
そんな中、県の方針が決まるのを待たず、アリーナには各地からボランティアが駆けつけた。支援物資も続々と届き、18日午後、県側は拠点となる「ボランティアステーション」を設置。現場では正式な受け入れの告知がないまま、支援活動が本格化していった。