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東日本大地震:避難所の高齢者に、慢性疾患への治療を引き続き提供(3月20日)

2011年03月20日掲載

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大地震発生から1週間あまり、国境なき医師団(MSF)は南三陸町の避難所で診療を続けている。南三陸町では、約1万人が避難所で避難生活を送っている。


被災地で慢性疾患患者を診療。調査範囲も拡大

患者を診療するMSFの中川嘉隆医師。
患者を診療するMSFの中川嘉隆医師。

震災被災地で1週間活動を行ったMSFの中川嘉隆医師が、19日夜、東京のMSF日本東京支部に戻った。中川医師が参加したMSFのチームは地震と津波で甚大な被害受けた孤立地域にも入り、中川医師が診察した慢性腎不全を抱える70歳の男性は、血液透析器のある医療機関に行くことができず、状態が悪化していた。

「幸い、この方の家族は地震以降もずっと看病をされていて、体重や血糖値を測り、食欲等が問題ないか確認を行うなど、できる範囲で最善の努力をされていました」と中川医師は語る。中川医師はこの男性の容態を安定させるため薬の処方と治療を行い、今後、別の移動診療チームが数日中に男性の状況を確認して行く予定である。

南三陸町では移動診療を行う2チームが活動する一方、別のチームはさらに北の沿岸部、気仙沼市と宮古市の間でも調査を継続。宮古市で高齢者への診療開始を検討しているほか、陸前高田市でも調査を行う予定である。

宮城県北部のMSFが活動する地域では、国内の大規模な救援活動により、被災地へのアクセスが可能になり、大量の救援物資の搬入も続いていることから、状況は急速に改善されている。

衛生用品の配布も準備。臨床心理士も現地入り

南三陸町のスポーツセンターに避難している住民。
南三陸町のスポーツセンターに避難している住民。

MSFでは、12人の移動診療チームが被災地の避難所で診療を継続。患者の主な症例は慢性疾患で、その大半は高齢者である。一方でMSFは、石けんや歯ブラシ・歯磨き粉、タオルといった衛生用品等のニーズにも対応を進めている。

「生活環境は依然厳しい。いくつかの避難所は人であふれかえり、震災以降1週間経って、個々人の衛生用品が必要となっています。ここ数日中に最優先して、MSFはこれらの衛生用品を南三陸の避難所にいる約1万人に配布する計画です」と、MSFの緊急対応コーディネーター、エマヌエル・グーは語る。

19日には、宮城県北東部で活動するチームに臨床心理士も加わり、心理ケアのニーズ調査を行うほか、現地の人材・物資等の状況確認と、MSFの活動拡大の必要性についても見極めていく。

「高齢者はこのような場合、より厳しい状況にさらされます。地震と津波の直後に強い心的外傷が起こるほか、自宅から別の場所に移って避難生活をする高齢者には、一定期間にわたる心的外傷も起こりえます。大半の人は新しい環境に順応する力がありますが、高齢者にとっては極めて困難で、慣れるまでには時間もかかるのです」と、MSFの西前律子臨床心理士は説明する。

現在、被災地では12人の派遣スタッフが活動するほか、MSF日本の東京支部では、地震以前からの約40人と5人の支援メンバーが緊急対応にあたっている。

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