京都大など4大学の入試問題が試験中にインターネット上の掲示板に投稿された問題で、投稿者のID「aicezuki」が掲示板に登録される直前まで、質問の内容や書き方の特徴が酷似した別のIDによる書き込みが約半年続いていたことが分かった。
京都府警は、同一の投稿者が過去に別のIDで書き込みを繰り返していた可能性もあると見て関心を寄せている。
ヤフージャパン(東京都)が運営する「ヤフー知恵袋」に残る記録によると、このIDはアルファベットの小文字と数字を組み合わせた名称で、昨年6月1日に利用登録。aicezukiと同様、いずれも携帯電話からの書き込みだった。aicezukiが知恵袋に登録される15日前の12月3日に書き込みが途絶えるまで、208件の質問を繰り返し、他の人の質問にも57件回答していた。
質問は数学や英語、日本史などの問題の解き方を尋ねるものがほとんど。「数学の問題です」「次の文を英訳してください」などと書き始め、いきなり問題文に入る点が酷似。「解答だけでなく途中計算もよろしくお願いします」と計算過程も書き込むよう求める点も同じだった。
お礼を書き込む際に「ありがとうございました」の後に改行してから笑顔などを示す顔文字を書く点も共通している。知恵袋には問題の解き方を尋ねる質問は数多く寄せられているが、朝日新聞が調べたところ、投稿内容のジャンルの偏りや、質問の書き方など文面の特徴がここまで酷似したIDはみられない。
208件の質問のうち28件が削除され、現在閲覧できるのは180件。朝日新聞が京大入試の市販の過去問題と照合したところ、少なくとも英語に関する質問7件、数学に関するもの1件で、問題文がほぼ一致した。英語は、2006年度の問題が3件、04年度と10年度が2件ずつだった。数学は04年度だった。
京都府警と警視庁は、試験官が見回っている入試時間内に多数の投稿がされていることなどから、受験生が単独で投稿したのか、試験会場外に協力者がいるのか、なども重点的に捜査する。