地震発生時に福島県の沖合を航行していた海上保安庁の巡視船が、およそ10メートルの大津波に遭遇し、船首を大きく浮かしながら乗り越える様子を撮影していました。
宮城海上保安部の巡視船「まつしま」は、11日、地震発生から1時間後の午後3時47分ごろ、福島県相馬市の沖合5キロを航行中、津波に遭遇しました。このとき、乗組員が水平線から押し寄せてくる巨大な津波を撮影していました。映像には、乗組員らが「しっかりつかまれ」などと声を掛け合いながら、横波を避けるため、真正面から津波に向かう緊迫した船内の様子が克明に映っています。そして、到達した津波はおよそ10メートルの高さに盛り上がっていて、巡視船は船首を大きく浮き上がらせながらなんとか乗り越えました。映像には、津波が数分間隔で襲ってくる様子や、沖に逃げる巡視船を引き波とみられる波紋が後ろから追い抜いていく様子も映っています。また、巡視船のレーダー画面を写した写真には、幅およそ15キロにおよぶ津波の波頭とみられる線がくっきりと捉えられていて、被災地を襲った津波がいかに巨大だったかがうかがえます。