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バスアングラーからの義援金 [イベント]

いよいよ開催が迫った名古屋バスフェスタの準備の為、11日の金曜日正午過ぎに車で現地入りしました。会場となるポートメッセなごやに入り、展示品の陳列をしている最中に違和感を感じました。

足元が何だかフワフワしている。何か柔らかいものの上に乗っているような、或いは私自身が目眩でもしているのかのような、そんな不思議な感覚でした。周囲の人達も一同にざわめきましたが悲鳴を上げたり逃げ出す者はいませんでした。それが地震だとはすぐにわかりましたが、さほど大した揺れではないように思えたからです。ただ、いつまで経っても揺れが収まらない。長い。現場の誰もがそう感じたものと思います。

「もしかして宮城あたりでまた大きな地震が起きていたのでは?」という会話を一言二言話しましたが、その直後に入ってきた情報を聞いて驚きました。現場にはTVがなかったので営業車のカーナビをTVに切り替えて車内でニュースを見て、あまりにも信じがたい光景に言葉が出ませんでした。

その被害状況は皆さんもご存知の通りです。

結果、芸能関係、スポーツ関係のイベントはことごとく中止となった。釣りの展示会で中止になったものもある。「それどころじゃない」との判断によるものでしょう。

私も名古屋バスフェスタというイベントに出展するにあたり、大きな戸惑いを感じていたのも事実です。「イベントにやってくる人達に楽しんでもらいたい」という気持ちが第一にあった反面、こんな状況の最中に釣りのイベントで盛り上がるという事が果たして良いことなのかどうか、何か後ろめたさを感じる面もあったからです。

そしてそれを感じていたのは私だけではなかったでしょう。私同様、同業の出展関係者、そして来場者の皆さんも同じだったと思います。けれどもそれを一番痛切に感じていたのは主催者の方々だったはずです。かなりの葛藤があったことと思います。

そもそもこのイベントは、もっとバスフィッシングを盛り上げようという主旨の元、中部地方のプロショップ有志の皆さんが立ち上げたイベントです。もっと正々堂々とバス釣りが出来る世の中にしたいと願う人達が「こんな大変な時に釣りのイベントを開催しているのか、やっぱりブラックバス釣りは・・・」なんて後ろ指を指されるようなことを望んでいるはずがない。

だから二日目は取り止めようかという意見もあったのだそう。けれども結果的には二日目も開催された。このイベントでは各社の限定販売品などもありその事前告知を行っていました。それを楽しみにやってくる人も多く、事実初日には4000人以上もの来場者があった。開場前から入り口前には長蛇の列が出来上がった。それだけこのイベントを、そして限定商品を楽しみにして足を運んでくれる人達がいるという事実がそこにはありました。ただ、通常通りにこのイベントを開催したとなると主催者、出展者、そして来場者の皆さん、それぞれが心のどこかに後ろめたさを感じる面をきっと残すことになる。それは、正々堂々とバスフィッシングを楽しむ、という元々の理念にも逆行する結果となってしまいます。

2日目の開場時間直前、出展各社を交えた緊急ミーティングが開かれました。その内容とは、2日目の開催を予定通り行うということ、そして、皆で力をあわせて義援金を集めて被災地に送りたいというものでした。また、当初このイベントで生じた収益金に関しては運営費を差し引いた額を日釣振に寄付する予定だったそうですが、そのお金も全て義援金に変更する事も告げられました。主催者側によるこの決定に、各出展社より大きな拍手が起こりました。もちろん私もその決定を全面的に支持する次第です。

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急遽決定した事項であったため、運営本部及び各出展メーカーでも即席の募金箱が設置されました。スミスでもブース内に募金箱を設置すると共に、当初は予定になかったカタログ及びグッズ(バンダナ)の販売を行い、その売上金を全て義援金として主催者側に委託することとなりました。

¥17,240。当社のブースに来られた皆様のご協力により当日集められた義援金です。全額を運営本部に提出させていただきました。ご協力を頂いた皆様には心より御礼申し上げます。どうもありがとうございました。勿論、他の出展メーカー様ブースに設置されていた募金箱、運営本部で準備した募金箱の方に寄付をいただいた皆様におかれましてもどうもありがとうございました。厚く御礼申し上げます。

この緊急事態という状況下でのイベント実施に関しては色々と賛否が出るかもしれません。名古屋バスフェスタも、開催までの日程に余裕があったなら開催見送りとなっていた可能性が高いと思います。しかし今回はあまりにも急な出来事だったため、情報の周知も含めて中止するのも難しかった。こんな想定外の緊急的状況の下、運営本部が下した判断は実に適切で、敬意を表するに値するものであると、自分は考えます。

何より、名古屋バスフェスタに来場いただいた方々の力で、被災地に義援金が送られることになったのは確かです。もし開催を中止していたら、ゼロです。被害額には到底及ばないまでも、被災地の方々に名古屋バスフェスタからの義援金が少しでも役に立てる事をただ祈るばかりです。

被災された地域の皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

また、会場内で「会社や自宅は大丈夫ですか?」と心配の声を掛けて下さったり、同内容のメールや電話を下さった皆様、ご心配をお掛けしまして誠に申し訳ありませんでした。幸い、職場の方は大きな被害はなかったようです。昨日の深夜に帰宅しましたが、自宅の方も大きな損傷はせずに済んでいるのを確認しました。この場を借りてご報告とさせていただきます。
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コメント 4

よー

初日にバスフェスタにお伺いしたものです。
2日目は募金もやっていたのですね。
私も連絡の取れない親戚など気がかりでありましたが皆さんの明るさで一瞬でも忘れさせていただいて本当にありがたかったです。
ご自宅も大変だったのですね。気持ちが沈みがちな時ですけれどこうして出来ることからやっていくしかないですよね。
私も早速日本赤十字に募金しました。
報告、ありがとうございました。
by よー (2011-03-15 06:47) 

IKE-P

よーさん、御来場いただきましてどうもありがとうございました。

実は自宅の近所でも火災があったり、隣街の映画館で天井が落下するなどといった被害がニュースで流れていたもので、内心気が気ではありませんでした。もっとも、被害があったとしても東北地方の被災者の人達に較べれば、微々たるものではあったと思います。

募金もありがとうございました。一日も早い復興を願うばかりです。
by IKE-P (2011-03-15 07:10) 

yukio

相馬市の野池群は東北第二の八郎として近年メジャースポット化しておりました。浜風を感じながら何回か釣りをしたものです。
あのとき出会った地元の人や相馬の人が出来る限り無事でいることを祈るばかりです。
渓流が解禁になり道具一式を部屋に出しっ放しにしていて皮肉にもLEDライトやラジオ、カセットコンロが屋内で役に立ちました。
正直、今は釣りをする気分ではないです。

でも、池島さんはじめメーカーのみなさん。
後ろめたさは感じなくていいと思います!
こんな時こそ釣りを通して希望を与えてください。

by yukio (2011-03-15 19:03) 

山田

津波警報が出ていた海沿いでの開催についてどのメーカーも打ち合わせをした様に触れていませんが、客の安全を第一に考える人は居なかったのでしょうか?
by 山田 (2011-03-19 17:51) 

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