[事件]ニュース
【放射能漏れ】第1原発の収用を検討 自衛隊の管理下でがれき除去
2011.3.20 01:30
政府が、東日本大震災で被災した東京電力福島第1原子力発電所を自衛隊の管理下に置く検討に入ったことが19日、分かった。複数の政府高官が明らかにした。同原発では電源の復旧が最大の課題となっているが、水素爆発で飛び散ったがれきが放水や復旧作業の障害となっているため、自衛隊にがれき除去作業を主導させるためだ。
1号機や3号機では相次いで水素爆発が起き、原子炉建屋周辺ではコンクリート片などのがれきが散乱している。東電の職員や関連企業の作業員らが除去を行っているが、原発敷地内の放射線量が高いうえ、機材が不足しているため、作業ははかどっていないという。
北沢俊美防衛相も19日の記者会見で「がれきが相当散乱している。排除するにも放射能が付着している懸念もある」と述べた。
外部から送電線を引き込み、2号機に接続する作業は完了したものの、恒常的な冷却システムの復旧のためには早期にがれきを除去する必要がある。
このため、政府と東電は対応策を協議している。政府側は第1原発の事故とそれに伴う事態悪化はもはや「平時」ではないとの認識を強めており、原発を収用し自衛隊に管理権を移す検討に入った。
この措置の根拠となるのが災害対策基本法だ。同法では市町村長ら職権を行使できる者がその場にいない場合に限って、派遣を命ぜられた自衛官が災害の拡大を防止するため、他人の土地や物件を使用したり、収用したりすることができると規定されている。
だが、東電側は管理権を奪われることになる収用措置に抵抗感を示している。自衛隊側も屋外での作業は被曝(ひばく)の恐れが増すため、隊員を投入することに対する懸念は強い。
関連ニュース
- [PR]
- [PR]