この写真は、今や貴重なものになろうとしている。
なぜなら、安倍首相があの地震当日真っ先に柏崎刈羽原発を視察したこと自体が、忘れ去られようとしているからだ。
この写真の配信情報を確認しておこう。
地震・柏崎原発を視察する安倍首相
7月16日22時2分配信
柏崎刈羽原子力発電所を視察する安倍晋三首相(16日午後、新潟県柏崎市)(時事通信社)
最終更新:7月16日22時2分
地震の報をきいた安倍首相が長崎での遊説を急遽切り上げ、東京に戻り、さらに新潟に飛んだ。そうして、国民が最も心配する原発視察をいの一番に行うという。そのニュースを聞いた国民は、拍手喝采を送ったはずだ。劣勢が報じられる参議院選挙で巻き返しのきっかけとなる、首相の被害地視察であった。
注)産経新聞の阿比留記者がわざわざ、izaブログで『電光石火』の早業を特記速報しているが、
http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/233165/allcmt/そこで特写されたヘリの第一ランディング地点こそ、柏崎刈羽原子力発電所であったはずなのだが。
http://abirur.iza.ne.jp/images/user/20070716/102710.jpg
安倍晋三をいつも絶賛する阿比留記者ですら、お手柄である原発視察については堅く口を閉ざしている。
※堅く口を閉ざすもうひとりの大臣さま→http://www.iza.ne.jp/images/user/20070719/104548.jpg
それにもかかわらず、安倍政権を選挙で応援する産経新聞の記事からも、この「総理大臣が原発を真っ先に視察した」という事実が消されようとしている。確かめてみよう。まずは、地震当日の首相動向を纏めた記事。
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この後、柏崎市役所で記者団に「まずは救命、救難活動に全力を挙げる。道路復興や下水道、ガスなどライフライン復旧に全力を挙げる」と述べた。
■安倍首相、被災地を視察 政府は官邸対策室設置
安倍晋三首相は16日午後、新潟県中越沖地震に対応するため、参院選遊説で訪れていた長崎市から急きょ民間機で帰京、官邸から陸上自衛隊ヘリで新潟県柏崎市に入り、被災地を視察した。甘利明経済産業相が同行。政府調査団(団長・溝手顕正防災担当相)も防衛省から陸自ヘリで現地入りした。
首相は出発前、官邸で記者団に「人命の安全確保、ライフラインの確保、不安を取り除くため全力を尽くす」と述べた。
政府は同日午前10時15分、官邸対策室を設置。防衛省が新潟県知事の要請を受けて陸自部隊を災害派遣したほか、警察庁の広域緊急援助隊、消防庁の緊急消防援助隊も出動した。小池百合子防衛相は防衛省の対策本部の会合で「災害派遣などに万全を期してほしい」と指示した。
首相は地震発生直後に(1)被災状況の把握について、関係各省庁が関係自治体と連携の上、万全を期すこと(2)被災者の安全確保および被災者がいる場合には人命救助を第一義に救出活動に全力を挙げること-を指示した。
首相は同日午前の長崎市内での街頭演説前に、秘書官から地震発生の報告を受け、演説で「新潟沖で震度6強の地震があった。直ちに対策のため、東京に戻らなければならない」と述べ、その後の遊説日程を中止した。
官邸には塩崎恭久官房長官、野田健内閣危機管理監らが集まり、情報収集や政府機関の初動指揮に当たった。
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柏崎刈羽原発視察については一行もない!
しかもこの記事は、時系列を素直に辿れないような不思議な技巧が施されている。中国や北朝鮮の要人動向報道のようで、産経新聞はまるで共産主義新聞のようだ。
次に、izaニュース検索をしてみる。最初のキーワードは「原発視察」。
→該当するページが見つかりませんでした。
次に、キーワードは「首相 原発」。
→今回の地震関連では6個のニュースがヒット
安倍晋三首相は16日夜、新潟県中越沖地震の発生に伴い、東京電力柏崎刈羽原発で耐震設計を超える揺れが検知され、6号機から微量の放射性物質を含む水が漏れたことを重視。全国の原発施設の災害対応の点検と、放射性物質が漏れた場合…
2007/07/17
2
新潟県上中越沖の海底下で強い地震が発生した。 最大震度6強の揺れが新潟県と長野県の北部を襲い、木造家屋の倒壊などで多数の死傷者が出た。 政府は首相官邸の危機管理センターに対策室を設置し、自衛隊も現地からの災害派遣要請…
2007/07/17
3
長崎市内での参院選遊説を中断し、混乱が続く新潟県中越沖地震の災害現場に急遽入った安倍晋三首相。3月の能登半島地震の際の現地入りが、発生から19日後だったのとは対照的だ。逆風が吹く参院選を強く意識し、素早い危機管理対応を…
2007/07/17
4
安倍晋三首相は17日午前の閣議懇談会で、新潟県中越沖地震を受け、復旧事業費などへの国庫補助率引き上げなどの措置が講じられる激甚災害指定に向け、「国の職員が現地調査に全面協力するなど、スピード感をもって対応するように」と…
2007/07/17
5
安倍晋三首相は17日午後、新潟県中越沖地震による東京電力柏崎刈羽原発の放射性物質を含む水の漏えいなどのトラブル発生に関し「(国への)報告が遅かった。直ちに報告するよう厳しく指示した。今回のことは厳しく反省してもらわない…
2007/07/17
6
新潟県中越沖地震で、東京電力は17日、自動停止した柏崎刈羽原子力発電所7号機の主排気筒から放射性物質が検出されたと発表した。同社は「周辺環境への影響はない」としている。5基で主排気筒につながるダクトにズレが生じている。…
2007/07/17
このうち、首相の原発視察に触れたのは、上記3のみ。しかも、次のような表現だけである。
「首相は、火災が発生した東京電力柏崎刈羽原発や、柏崎小学校などを視察。」
おいおい、一体これって何だ? どうなっちまったんだ!
国民を真っ先に安心させようと、一国の総理大臣が原発に駆けつけたというのに、その事実その行為その努力が、無かったことにされそうになってている!!
これは、未だかつてなかった情報操作かもしれない。
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「報告遅い」首相、放射性物質漏れで説明受けず・東電原発〔共同〕(17日20:04)FJZONE
首相は16日夕の同原発視察時、案内役の原発所長から変圧器火災について「安全機能は働いています」と説明を受け、「それは安心しました」などと応じていた。放射性物質を含む水の漏えいについては説明を受けず、約4分間の滞在で次の視察先へ向かっていた。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20070717STXKC062417072007.html
地震対応で首相陣頭指揮、反転攻勢狙う
(// date_start //2007年7月18日10時32分// date_end // 読売新聞)
しかし、被災地状況が不明確な段階で現地入りに踏み切ったことによる“ほころび”も出ている。
首相は16日の現地視察で、「私がこの目で状況を把握して皆様に安心していただきたい」と真っ先に東京電力柏崎刈羽原発に向かい、約20分間の視察で「安全」を確認したはずだった。
だが、視察終了後、微量の放射能を含んだ水が外部に漏れていたことが発覚。東電の報告は遅れ、首相が知らされたのは同日夜の災害対策関係閣僚会合後だった。
http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin2007/news/20070718ia01.htm
無かったことにされているのか、それとも、元々無かったことに等しい視察だったのか?
産経だけでなく、共同の17日朝刊用配信記事からも、首相の原発視察が消えている。
安倍晋三首相は16日午後、官邸から陸上自衛隊ヘリで新潟県柏崎市に入り、新潟県中越沖地震の被災地を視察し、同日夜、官邸で災害対策関係閣僚会合を開いた。会合で首相は「1日も早く困難を脱し、安心して生活できるようライフラインの確保、交通復旧に万全を期す。不安を解消するよう連携をお願いする」と指示した。
政府は同日夜、柏崎市役所内に現地連絡対策室を設置。これに先立ち同日午前10時15分に官邸対策室を立ち上げた。
首相は、柏崎市の柏崎小学校に避難した被災者を慰問。「皆さんが普通の生活に戻れるよう復興、復旧に全力を尽くす」と呼び掛けた。また同市役所で記者団に「地震で亡くなった方々に、お悔やみ申し上げる。救命、救難活動、道路復旧、水道、ガスなどライフラインの復旧に全力を挙げる」と述べた。
地震発生当日に首相が被災地を訪れたのは異例。甘利明経済産業相が同行した。政府調査団(団長・溝手顕正防災担当相)も陸自ヘリで現地入りした。
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塩崎官房長官も自己弁護はしても、安倍晋三氏を弁護しなかった。
中越沖地震:放射能含む水の漏えいで釈明…塩崎官房長官
塩崎恭久官房長官は17日午前の記者会見で、新潟県中越沖地震で東京電力柏崎刈羽原発から微量の放射能を含んだ水が海に放出されたことに関連して、自身の16日昼の緊急会見で「放射能漏れは確認されていない」と述べたことについて、「あの時点では確認できていないと言った。会見との齟齬(そご)は特にない」と語った。
塩崎長官によると、東電が放射能を含んだ水が海に流れ込んだと確認できたのは16日午後8時28分で、経済産業省が事実関係の調査に時間をかけたため、東電の正式発表が夜になった。原子力安全委員会事務局に連絡があったのは17日午前1時ごろだったという。
一方、高市早苗・内閣府特命担当相は同日の会見で「漏えい報告は非常に遅かった。きっちりと原因究明し、再発防止のプランを早急に報告することが大事」と東電の報告の遅れを批判した。
また、塩崎長官は今回の地震が耐震設計上想定していた以上の揺れだったことについて「どれだけ想定を超えているのか分析をした上で、新たな知見を得られるならこれを踏まえて対応していかなければならない」と述べ、原発の耐震設計の見直しを視野に徹底した調査をする方針を示した。【西田進一郎】
毎日新聞 2007年7月17日 12時45分 (最終更新時間 7月17日 14時05分)
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安倍自民党政権の手法は、
自分たちの前々からの言動や判断に蓋をし口にチャックをし、
年金社保庁問題がそうであった。そうして原発問題もそうしようとしている。安倍晋三さんの高圧的な口調はいつもそうだ。
これを鉄面皮と言わずになんと言うか。
「戦後レジームからの脱却」というお題目が、自らの責任逃れに活用されようとしている。
私は歴史の勉強を思い出す。
かのAdolf
選挙戦末期の安倍晋三氏の演説が見えてきた。きっと、原発問題をも「戦後レジームからの脱却で解決する」と言い出すに違いない。
by 眠れぬシーサー
「水漬屍老人義勇隊」の提唱