ここから本文です。現在の位置は トップ > 地域ニュース > 島根 > 記事です。

島根

文字サイズ変更

閑想閑話:「胎児や乳幼児などが真っ先に影響を受ける」… /島根

 「胎児や乳幼児などが真っ先に影響を受ける。どんな放射性物質が飛散しているのか、情報が全く公表されていない」。福島の原発事故について岐阜環境医学研究所長の松井英介医師(放射線医学)はそう憤り、危機感をあらわにした。「原発周辺では既に内部被ばくが始まっている可能性が高い。東電や政府は正確な情報を迅速に流すべきだ」▲広島市立大学広島平和研究所の高橋博子講師も、内部被ばくの基準が示されない現状に同様の危機感を示す。公表されている放射線量は「外部被ばく」の話。一番怖いのは放射性物質が体内に入る「内部被ばく」だ。少量でも甚大な影響を人体に与える。広島、長崎の被爆者が現在まで心身ともに苦しんでいるのは、この影響が大きい▲放射性物質は風に乗って数百、数千キロ運ばれることも珍しくない。しかし、国内ではこれまで内部被ばくは軽視され、それが被爆者を二重に苦しめてきた。広島、長崎の苦悩の歴史を生かすことはできないのか。苦い思いをかみしめている。【上村里花】

毎日新聞 2011年3月19日 地方版

 
地域体験イベント検索

おすすめ情報

注目ブランド