3 自衛隊の原子力災害装備に問題有り
放射線や核兵器に組織的に対応できる部隊は、陸上自衛隊にしかありません。具体的には、中央即応集団、各師団及び各旅団にある表記の部隊です(下の表参照)。
この特殊武器防護隊は、化学防護隊から発展したものですが、装備についての差は、生物兵器に対応する装備が増えた以外はほとんどありません。
このいずれの部隊も現在は、化学(Chemical)、生物(Biological)、放射性物質(Radiological)、核(Nuclear)による、いわゆるCBRNテロに対応するための部隊です。
これら防護隊の任務は、CBRNテロなどを「検知」、使用薬剤等を「識別・同定」、撒布量・範囲等を「監視」する「偵察」と、放射性物質や化学剤等の汚染を除去する「除染」です。対特殊武器衛生隊の任務は、使用薬剤や放射線の「同定」や「治療」の実施です。
特に、中央特殊武器防護隊は、有事に即応し得る高い機動性を持った中央即応集団隷下にあり、その隷下に第102、103特殊武器防護隊の2個実働部隊があります。
1995年のオウム真理教による地下鉄サリン事件に対応した第101化学防護隊から発展、改編された部隊です。
しかし、全国にこれだけの部隊があり、新たな脅威、多用な事態への対応強化という観点から年々拡充傾向にあると言っても、実際の規模は中隊または小隊規模でしかありません。
隊員が少なく交代要員がいない
つまり、隊員が少ないため、多量の放射線下で作業は何日間も持続できないのです。所属隊員が被曝して放射線量限界まで達した場合、交代しなければなりませんが、その交代要員が確保できません。
装備品も、放射性物質に対応しているのは、化学防護車(装綸)、除染車3型(B)、94式除染装置、線量計3形、CR警報機、化学防護衣4型、戦闘用防護衣、防護マスク4型、空気マスクですが、十分な量は装備されていません。
化学防護車は世界的に見た場合、いわゆる「NBC偵察車」に当たります。NBC偵察車は、汚染地域に進出して汚染状況測定やサンプル採取を行うものです。
この化学防護車は、α、β、γ線を遮蔽することができるのですが、1999年のJCOウラン加工工場臨界事故を受けて、さらに中性子線に対応できるよう、車両正面に水素原子を多く含む特殊素材を何重にも張り合わせた「中性子遮蔽板」が装備されました。
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