最近一週間ほどのえび日記
2011年3月15日(火曜日)
日常(六)
公開: 2011年3月18日14時20分頃
待望の日常(六)、届きました!!
- 日常(六) オリジナルアニメDVD付き限定版 (www.amazon.co.jp)
パッケージが……いや、もちろんそんな意図はないのでしょうが、どうしても、最近何度も見た映像とシンクロしてしまいます。
中身はコミック6巻と、DVD「日常の0話」。
コミックは相変わらず面白いです。6巻まで来てもなぜか飽きない「日常」クオリティ。師範代の自転車だけでずいぶん笑わされてしまいましたが、構図の面白さ、シチュエーションの面白さ、シュールさと、同じ「自転車」という素材なのに笑いのパターンが全く違っていて、だから飽きないのかもしれません。
印象的だったのは、やはり囲碁サッカー。セクシーコマンドー (www.amazon.co.jp)を連想しますが、シュールさではこちらの方が上です。「足にはさんだボールが曲者」と言われてもさっぱり分かりませんが、それが面白い。
あと、はかせの「かってかって」と、ゆっこの「くわがた」にも爆笑させられてしまいました。他にも笑いのツボがたくさんあって、コミックスは大満足です。
DVDのほうも、かなり良かったと思います。ゆっこが吹っ飛ばされる動きはなかなか凄いし、なのがはかせの手をくっと掴んで止める動きが可愛かったりして、非常に良いです。
ただ欲を言うと、劇画調になってくるようなシーンをアニメで見てみたかったですね。たとえば校長vs鹿とか、校長vsカラスとか、ゆっこから逃げるみおとか、みおのドラゴンスクリューとか、そういう動きのあるシーンをアニメで見たいです。今後に期待します。
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2011年3月13日(日曜日)
あやしいお話
公開: 2011年3月18日13時30分頃
Twitterを見ているとさまざまな情報が飛び交っていますが、中には相当怪しい話も相当数混ざっているようです。RTする前に、以下のようなことを心がけると良いかもしれません。
- 非公式RTは無視する
- 公式RTされている場合は、元ツイートをしたユーザーのタイムラインを確認する。自身に関するツイートや他ユーザーとのやりとりが全くなく、感動エピソードだけが並んでいたり、特定の思想傾向に沿ったツイートだけが並んでいたりする場合、それはおそらくデマ発信専用アカウントだと思われます。
- 客観情報を含まない情緒的なツイートはRTしない。特に、感動エピソードに注意。
- できるだけ、真偽を自分で調べてから、ソースのURLをつけてツイートするようにする。
- 同じ話を別の人がツイートしていても信用しない。
なお、デマは悪意によって広まるのではなく、善意や使命感によって広まることに注意しましょう。「東京電力に勤めている友人」とか「自衛隊員の友人」の感動エピソードが結構流れていましたが、調べてみると辻褄が合わない話も多いです。友人からの伝聞という形で語られている感動エピソードには、かなりの割合でデマが混ざっていると思った方が良いでしょう。
※本人がツイートしていて、かつその人のタイムラインが変でない場合は、ある程度信用して良いと思います。
流量が多い話を信用しないと言うのもポイントだと思います。人は、複数の人から同じ話を聞くと信じてしまう傾向があります。
人は、複数の人間から話を聞けば聞くほど、その話を信用しやすくなる。誰かひとりがデタラメを言っていれば聞く耳を持たなくても、その数が増加していけば「もしかすると」と思ってしまうのである。幽霊や宇宙船、さらには超能力だの当たる占い、その手のくだらないオカルト話を信じてしまう人がいるのも同じことだ。
以上、「オレオレ詐欺はもう古い」こそ「もう古い」。再度猛威を振るう「新型オレオレ詐欺」。悪党どもの手口を「全部暴露」して予防法を伝授! より
これがTwitterのRTの仕組みと実に良くマッチします。同じソースからの情報が違う経路で複数回RTされてくることが多いからです。複数の人が同じ事をツイートしたりRTしたりしていても、頭ごなしに信じない方が良いでしょう。
今日気になった、複数の人がツイートしているけれど真偽の分からないものを、いくつかメモしておきます。
辻本清美 幻のビラ
阪神大震災の際、辻本清美がコピー機を携えて現地入りし、「自衛隊から救援物資をもらってはならない」というビラを大量にまいた……という話が複数の経路からRTされたりツイートされたりしてきました。
普通に考えてそんなことはしないと思いますし、「コピー機を携えて現地入り」という妙なディテールも、よく考えると現実離れしています。コピー機はどこに置いたのでしょうか。電源や紙はどうやって調達したのでしょうか。印刷したビラを持って現地入りした方が効率が良くはないでしょうか。
実際にビラが大量にまかれたのなら、そのビラが映った写真や画像をだれかが公開している可能性が高いと思います。しかし、少なくとも私が探した範囲では、そのビラの現物の写真を発見することができませんでした。
以上のことから、「阪神大震災の際、辻本清美がビラをまいた」という話は、真偽のかなり怪しい話であり、デマの可能性が高いと判断しています。もし画像を確認された方、あるいはマスコミ報道等のある程度信頼できるソースをご存じの方がいらっしゃいましたら、ご連絡いただきたいと思います。
原発の老朽化は反対派のせいなのか
原発反対派のせいで新規の原発が作れず、老朽化した原発を使い続ける羽目になったのが事故の原因である、という旨のツイートが複数流れていました。
普通に考えると、確かに原発反対派は新規の原発に反対するでしょうが、だからといって老朽化した原発を使い続けることを許したりはしないでしょう。老朽化にも反対するはずです。とはいえ、「老朽化の問題に気付いていなかった」という可能性もあるでしょうから、実際にそういうことがあった可能性もあります。
ということで軽く調べてみることにしました。ちょうど日本共産党福島県議団の提言が話題になっていたので、その提言一覧 (www.jcp-fukushima-pref.jp)を確認してみると、老朽化した原発を運転し続けないようにという申し入れがたくさん見つかりました。
- 第二原発3号機の運転再開は認めず、議会で十分な議論をすべきです (www.jcp-fukushima-pref.jp)
- 第一原発4号機の運転再開を認めないこと (www.jcp-fukushima-pref.jp)
- 第二原発3号機の運転再開は認めず、議会で十分な議論をすべきです (www.jcp-fukushima-pref.jp)
- 東京電力(株)によるデータ改ざん問題についての申し入れ (www.jcp-fukushima-pref.jp)
- 福島原発10基の耐震安全性の総点検等を求める申し入れ (www.jcp-fukushima-pref.jp)
- 中越沖地震から教訓をくみ出した対応を求める申し入れ (www.jcp-fukushima-pref.jp)
- エネ協における原発「維持基準」の議論の在り方について (www.jcp-fukushima-pref.jp)
- 原発の維持基準導入についての考え方について (www.jcp-fukushima-pref.jp)
- 「原子力発電設備に係る健全性評価制度(維持基準)についての県議会の見解」について (www.jcp-fukushima-pref.jp)
2009年以降は老朽化や耐震基準の話はなくなり、プルサーマルの議論に比重が移っているようですが、数年前までは「老朽化した原発を使い続けないように」ということを強く訴え続けていたように見えます。
新規建設への反対は見あたりませんでしたが、これは単に古くて残っていないだけかもしれません。いずれにしても、老朽化した原子炉を運転し続けることについては明確に反対していたと言って良いでしょう。
以上のことから、「老朽化した原子炉を運転し続けることになったのは反対派のせい」という話はデマだと判断しています。
関連する話題: 出来事
2011年3月12日(土曜日)
福島第一原発がまずい状況
公開: 2011年3月18日13時30分頃
福島原発がまずい状況……福島第一原発1号機、燃料の溶融が進んでいる可能性 (www.asahi.com)。
ちなみに原子炉は地震と同時に停止していて、核分裂連鎖反応は起きていません。これは東京電力のプレスリリースで確認できます。
・福島第一原子力発電所 1~3号機 地震により停止(4~6号機は定期検査中)
・福島第二原子力発電所 1~4号機 地震により停止
というわけで原子炉は既に停止しているのですが、停止後の冷却に苦慮しているという状態ですね。
原子炉は停止しても高い熱を持っていますし、核燃料はしばらく崩壊熱を出し続けます。連鎖反応させていなくても、放射性物質は自然に核分裂して熱を出すのです。
※核燃料のウラン235自体は半減期が長く、自然に核分裂する確率が低めなので、大きな崩壊熱は出さないはずです。しかし、核分裂後にできた核種には半減期の短いものも含まれているため、使用済み核燃料からはかなりの崩壊熱が出ます。使用済み核燃料をプールでしばらく保管するのも、崩壊熱を取るためです。
崩壊熱が出ていても、冷却水がある間は問題ありませんが、冷却水が無くなると、金属も融けるほどの高温になります。最悪の場合、融けた核燃料が流れて一箇所に固まり、再臨界を起こす可能性もあります。それを避けるためには、原子炉が停止した後も水を循環させて冷やし続けなければなりません。
そのため、原子炉は炉心冷却装置 (ECCS) を備えていますが、炉心冷却装置を動かすためには電気が必要です。今回は地震と津波の影響で外部からの電力供給が受けられなくなり、バックアップ用のディーゼル発電も (おそらく津波の影響で) 動かなかったため、原子炉が冷却できていない状態のようです。
普通は、「停止」したらもう手を離しても安全と思いがちですが、原子炉の場合は停止した後も能動的に冷やし続けなければならないわけです。フェイルセーフの観点からは、これは非常にスジが悪いように思えます。しかし、核燃料が崩壊熱を出すことは原理的に言って避けられないので、何ともしがたいところです。
関連する話題: 出来事
2011年3月11日(金曜日)
地震とTwitter
公開: 2011年3月17日0時35分頃
ひどいことになっています。私は家にいて無事だったのですが、出来事を端的に書いておきます。
- 大きめの揺れが長時間続く。本棚の類が大きくぐらつくも、倒壊には至らず。被害は、重ねて置いてあった鍋なんかが崩れた程度。
- 停電や断水は発生せず。テレビは見られる。
- ガスは止まっていた。が、ガスメーターの復帰手順を実施したところ問題なく復帰。
- ネットは全く繋がらない。ひかり電話も不通。
- 携帯電話も使えない。おそらく通話規制。
- ケータイ経由でのネットアクセスは、やや不安定ながら可能。モバツイはエラーが出たりしつつも使えたので、何度かリロードしたりしながら、なんとか「ネットに繋がらない」という旨をツイート。
ネット不通は光ファイバーの断線かとも思いましたが、NTT東日本のケータイサイトで確認したところ、地域IP網の設備故障ということでした。ひかり電話なので固定電話も繋がらなくなり、本当にTwitterが唯一の連絡手段になりました。モバツイのえふしんさんに感謝。
関連する話題: 出来事
2011年3月9日(水曜日)
レビュー内容が白日の下に
公開: 2011年3月15日21時55分頃
「自著を語る「体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方 脆弱性が生まれる原理と対策の実践」徳丸 浩(ブックレビュー) (scan.netsecurity.ne.jp)」。
ディレクトリリスティング(ファイルの一覧を表示する機能)を抑止するための保険的対策として、初稿では、各ディレクトリにダミーのindex.htmlを入れておくという方法を紹介していた。この方法はベテランのセキュリティ屋にはよく知られたTipsだが、レビュアーの太田良典氏から異論が出た。全てのディレクトリにダミーのファイルをおくことで構成管理のコストが増加するなど、さまざまな副作用が発生するというのだ。検討の結果、本書で紹介している他の対策(コストはあまり増えない)に追加してダミーのindex.htmlを配置することのメリットは薄いと判断して、この記述は削除した。
うわ晒された!
……いや、打ち上げの時に「私の分のレビューは公開していただいても構わないですよ」という発言をした記憶はありますので、全く問題ありませんが。
正確には、私の意見は「紹介しても良いが推奨はしないでほしい」という感じだったと思いますが、そもそも紹介しない形になったという話ですね。過去、ディレクトリにindex.htmlを置くという「対策」が紹介されているのは何度か見たことがあるのですが、実際に各ディレクトリにindex.htmlというファイルを置いているプロジェクトを見たことがありません。おそらく、ほとんど誰も実施していないのではないかと思います。
※何より、クライアントから「本に書いてあるんだから実施しろ」と言われたら嫌ですので。
関連する話題: 徳丸本
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