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避難指示の双葉病院 新たに7人死亡 搬送スタッフ付き添わず

 東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の事故で避難指示が出ていた双葉病院(大熊町)と近くの関連介護施設から搬送された高齢者が死亡した問題で、県災害対策本部は18日までに、死者は当初の14人から7人増え、21人だったと明らかにした。

 災対本部の説明では、救助のために自衛隊が病院などを訪れた14日、院長ら数人の職員と患者合わせて約150人が残っていた。災対本部は当初、自衛隊到着時に「医師や看護師が一人もいなかった」と説明したが、訂正した。

 病院から14、15日に計3回、バスで患者を搬送した際、いずれも医療スタッフは付き添わなかった。2回目の搬送時には既に、院長らは病院にいなかった。院長は災対本部に「原発事故を知り、隣の川内村に避難した」などと説明したという。

 双葉病院のスタッフが搬送に付き添わなかったことについて、日本救急医療財団の島崎修次理事長は「にわかには信じられない。どんな事情があれ、医療スタッフの誰かが付き添っているべきだった」と指摘した。

 患者の多くが避難してきたいわき光洋高(いわき市)によると、付き添っていたのは、県相双保健福祉事務所の職員1人だけだった。周辺の病院から医師や看護師が駆け付けたが、14人が死亡する結果になった。

 新たに死亡が判明した7人は、自衛隊によって伊達市や福島市の避難所に搬送された患者に含まれていた。

 福島市で診察した医師は「脱水症状を起こして危機的な状態なのに、患者さんの名前や病状すら分からない状況だった」と話した。


2011年03月19日土曜日


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