<東日本大震災>福島第1原発3号機も水素爆発 11人けが
毎日新聞 3月14日(月)11時27分配信
経済産業省原子力安全・保安院は14日、東日本大震災で緊急停止した東京電力福島第1原発3号機で午前11時1分、1号機と同様に水素爆発が起きたと発表した。原子炉建屋の上部外壁が吹き飛んだとみられる。東電によると、社員ら11人がけがをした。いずれも意識はあるという。保安院によると、原子炉内の水位低下で露出した燃料棒が過熱して溶け、大量の水素が発生し、空気中の酸素が反応するなどして爆発したとみられる。現場には西ないし南西から風が吹いている。原発の半径20キロ以内には住民約500人が病院などに残っているとみられる。被ばくを避けるため、保安院は屋内退避を呼び掛けた。
東電によると、爆発後の午前11時44分、第1原発正門で、1時間あたり20マイクロシーベルトの放射線量が計測された。枝野幸男官房長官は爆発後に記者会見し、「現地の(原発)所長と直接電話で話をしたが、(原子炉のある)格納容器は健全という認識で、放射性物質が大量に飛び散っている可能性は低い。注水は継続され、圧力も一定の範囲内にある」と格納容器に異常はないとの認識を示した。
保安院によると、原子炉格納容器の圧力は14日午前5時ごろ、365キロパスカルアブソルート(耐圧の単位)だったが、同6時50分に530まで高まった。地震後最高値で、設計上の最高圧力をわずかに超過した。保安院は「設計値には余裕があり、直ちに爆発の危険はない」と説明。その後、圧力も約500に下がったとしていた。
一方で、建屋内の水素圧力も高まったため壁の一部を外す検討を始め、作業員を一時退避させていた。
3号機の燃料は上部約2メートルが冷却水から露出し、このため燃料棒が溶ける「炉心溶融」が続いたとみられ、注水の方法に問題があったことが危機的な状況を招いたという。【山田大輔】
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保安院によると、原子炉格納容器の圧力は14日午前5時ごろ、365キロパスカルアブソルート(耐圧の単位)だったが、同6時50分に530まで高まった。地震後最高値で、設計上の最高圧力をわずかに超過した。保安院は「設計値には余裕があり、直ちに爆発の危険はない」と説明。その後、圧力も約500に下がったとしていた。
一方で、建屋内の水素圧力も高まったため壁の一部を外す検討を始め、作業員を一時退避させていた。
3号機の燃料は上部約2メートルが冷却水から露出し、このため燃料棒が溶ける「炉心溶融」が続いたとみられ、注水の方法に問題があったことが危機的な状況を招いたという。【山田大輔】
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最終更新:3月14日(月)13時26分