『人は人 我は我なり されど仲よき哉日誌』。時々、徒然に更新。
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 遡る事7/15。とある方から教えて頂いた写真家さんのこと。このようにTwitterで呟いていた。
高円寺のカフェで「レイプの被害にあった女性をテーマにした」写真展(個展)をやっておられた女性写真家がおられたようですが(いまのところカフェの名前もわからない..)、どなたかこの写真家の方のお名前がわかるという人はいませんかね?

それからあれこれとしているうちに、7/16にそのご本人「にのみやさをり」@sally0605さんからこのように返信を頂き、
高円寺の百音ではないですか? だとしたら私です。@Yumi_Goto 高円寺のカフェで「レイプの被害にあった女性をテーマにした」写真展(個展)をやっておられた女性写真家がおられたようですが(いまのところカフェの名前もわからない..)、どなたかこの写真家の方のお名前がわかると
38c281d5.jpgそれからやりとりが始まって、これからも続こうとしている。
そのさをりさんのブログ
「空樹海風」で昨日から掲載されている「虚影」。8回にわけて掲載されるとのこと。このシリーズはさをりさんが性犯罪被害者と最初に向き合って撮った写真。
http://sally0605.blogspot.com/

自分が常日頃よく思うこと「理由」と「手段」。その人を突き動かす確固たる「理由」。それを表現、具体化して人に伝えていくための「手段」。その二つを持っている表現者に出会えたという印象をさをりさんには持っている。そのさをりさんにとっての写真とはなんなのか、彼女のサイト射影鏡http://www.ne.jp/asahi/mirror/0605/photo/about/index.htmlのなかに「私にとっての写真(白黒写真)」と題して書かれている。

すでに、さをりさんのなかでは当たり前になっている撮るという行為は、被害者という受け身の立場から、何歩も踏み出した勇気ある独自性の高い活動である。写真でなくても自分の思い、被害者の生の声を届けることを出来るのに、写真という媒体を使い、写真展や冊子にまとめるという形で、受け取る人にその思いを委ねるという形を取っている。それは自分たちが社会に受け入れられるということは、そういう形でなければいけないということの現れのような気がする。声高に被害者たちにたいする正義、社会でのあり方を訴えかけるという方法もあるはずなのに、それは「おしつけ」になってしまう場合がある。私がさをりさんの活動がユニークと思う点はそこにある。そして、「写真」という手段を持つことの強さが、さをりさん自身でなく、声をあげられない女性たちの力となっていること。それは「活動」という薄っぺらい言葉だけのものではない、彼女とコラボレーションをしている女性たちの「活きる術」とでもいえるような、そういう気がする。
彼女の「写真」には、そんな強い思いとメッセージが写し込まれている。「理由」にごまかされない、負けてない「写真」。
さをりさんの写真には「人を動かす力」を感じる(実際、自分も動かされているし=自発的に自分のお節介的に..)。

そして大切なことは、自身も被害者である立場から、コラボレーションしている性被害者の女性たちにたいする心のケアにもつとめながら、写真表現と手記を通して、生の声を広げ、これまでこつこつと地道な活動を続けていること。組織や団体に属さずとも、理由と手段さえあれば、一個人でも出来ることがあるのだということを、実践しているところにもとても共感するのである。

journal=youme.

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プロジェクトコーディネーター
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アジアを拠点に活動するフリーランスのフォトコンサルタント。プロデュース、キュレート、フォトエディティング、リサーチなど、写真に関わる総合的なコンサルティングに関わる。重点テーマは、紛争、現代社会問題、人権侵害、女性問題など。これまでNGO、人道支援・人権擁護団体の写真を使ったキャンペーンや出版、またアジア圏で開催される国際フォトフェスティバルやイベントのキュレーションおよびプロデュースに多数関わる。写真を通して問題そのものと、その問題に取り組む写真家の存在を世界に紹介すること、また一個人として社会に貢献できることはなにかを、写真を通した活動から見る側に問いかけることに力を入れている。
写真家の仕事の露出機会をサポートする団体、リマインダーズ・プロジェクト代表。月刊の電子版写真家ポートフォリオ「pdfX12 (photo documentary folioX12)」編集発行人。写真ブログ「I WAS THERE」のキュレーターの一人でもある。

2007年1月からpdfX12|photo documentary folioX12の編集者、フォトドキュメンタリーを毎月1本pdf版で発行している。pdfX12はリマインダーズプロジェクトのサイトから。

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