石川のニュース 【3月18日15時57分更新】

「命の列車」北陸線行く 東日本大震災 物資積み被災地へ

支援物資などを積んだ貨物列車=18日午前1時50分、金沢貨物ターミナル駅
 東日本大震災の救援物資が、JR北陸線から貨物列車で続々と被災地へ送り込まれてい る。太平洋側の鉄道路線は余震や福島第1原発事故の影響で不通が続いており、北陸線は 西日本と東北方面を結ぶ重要路線となった。生活物資の欠乏が深刻な被災地を救う「命の 列車」は18日未明も、金沢貨物ターミナル駅に停車、青森方面へと向かった。

 18日午前1時14分、金沢貨物ターミナル駅に到着したのは、大阪市の百済から東青 森に向かう16両編成の貨物列車。駅員は、コンテナの積み降ろしや確認作業を手際よく 進めた。出発を見送った三井博駅長は、「被災地で必要とされる物資が確実に届くように と願っている」と、普段にも増して引き締まった表情を見せた。

 JR貨物関西支社によると、大阪から東北方面への物資を積んだ貨物列車は1日3本運 行している。いずれも北陸線を経由し、被災地へ救援物資などを届けている。各貨物列車 には1両に1台5トンのコンテナを5台積載できる。

 東日本大震災の影響で、太平洋側は宇都宮ターミナル―盛岡ターミナル間、越谷ターミ ナル―盛岡ターミナル間がいずれも運転を見合わせているため、日本海側の路線を利用す る業者が急増。同支社によると、震災前は大阪に向かう便の荷物の方が多かったが、現在 は東北に送る便の貨物が増えている。

 震災を受けて、JR貨物と全国通運連盟は救援物資の鉄道輸送については無料とした。 17日までに石川県内の自治体や企業から貨物列車を利用した救援物資輸送の依頼はない が、JR貨物関西支社では「北陸線を含む日本海側の路線が頼り。少しでも多くの物資を 届けたい」としている。


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