福島第一原子力発電所3号機を冷却するため、自衛隊は、全国の航空基地から集めた消防車を使って、18日午後、地上からの放水作業を行うことを決め、準備を進めています。
福島第一原子力発電所の3号機と4号機は、いずれも使用済み燃料を保管したプールが冷却できない状態になっており、このままでは放射性物質が大量に漏れ出すおそれがあります。このうち3号機について、自衛隊は17日にヘリコプターと消防車を使って上空と地上から放水作業を行いましたが、依然としてプールの水位が低い状態が続いているとみられています。このため、自衛隊は、全国の航空基地から集めた特殊な消防車を使って、18日も地上からの放水作業を行うことを決め、現在、原発から20キロほどのところにある福島県楢葉町の運動施設で水の積載などの準備を進めています。防衛省によりますと、18日に作業に当たる予定の消防車は5台で、17日と同じように、1台ずつ3号機の近くまで前進し、あわせて30トンの水を放水する計画です。防衛省によりますと、17日に消防車で作業に当たった隊員について、それぞれが携帯していた線量計を調べたところ、被ばく線量はいずれも数ミリシーベルトだったということです。これは、自衛隊が緊急時の作業で許容されると定めている被ばく線量を下回っていますが、自衛隊は安全確保に万全を期すため、18日も隊員を消防車の中で作業させ、長時間、現場にとどめることがないようにしたいとしています。福島第一原子力発電所の敷地内では、東京電力によって冷却機能を回復させるための外部電源の復旧工事の準備が進められており、自衛隊による放水作業は、この工事が終わったあと、午後2時以降に行われる見通しだということです。また、17日に行ったヘリコプターによる上空からの水の投下は18日は行わず、東京電力の専門家が上空の放射線量を測定する「モニタリング」の支援のみ続けるということです。