2011年3月17日 8時24分 更新:3月17日 12時17分
東日本大震災の被災地は17日も冬型の気圧配置が続き、真冬並みの寒さとなった。物資不足が深刻化して被災者が厳しい生活を強いられる中、福島県と岩手県で高齢者計15人が避難中に亡くなっていたことが判明。毎日新聞のまとめでは、10県で39万3236人が避難所に身を寄せている。被災地では懸命の救助作業が続いているが、死者は5178人に上り、2万人以上が行方不明となっている。
福島県内で死亡したのは、県立いわき光洋高校(同市中央台)に避難した高齢者。県や同校によると、福島第1原発の放射能漏れで避難指示の圏内となった同県大熊町の病院と老人ホーム計3施設の入所者だった。男性6人、女性8人で、14日夜から16日朝の間に死亡。中には寝たきり状態の人もいた。
同校に来たのは、医療施設などに移るまでの一時的な措置で、14日夜から15日朝にかけて到着した。うち2人は同校に向けてバスで移動中に亡くなったとみられるという。
同校は避難者の急増を受け、一時避難先として14日に急きょ受け入れを開始。ピーク時には約260人が避難した。病気治療中の高齢者などについては当初、十分な医療設備が無いことから受け入れを断っていたが、行き先を確保できない高齢者が多いため、一時的に受け入れを決定。県内の病院から来た医療スタッフ4人がボランティアとともにケアに当たり、多くは16日中に医療施設に移ったという。
岩手県内では、陸前高田市立第一中学校に避難した女性(83)が17日朝、搬送先の病院で亡くなった。日本赤十字社の救護所や市災害対策本部によると、女性は2、3日前に避難所に運ばれた。持病があった上、疲労で食事や水分をほとんど取れなくなり、トイレに行くのもおっくうな状態だったという。
気象庁天気相談所によると、17日の朝の最低気温は岩手県沿岸部で氷点下5~3度、宮城、福島県沿岸部で同4~3度程度と考えられ、雪が降っているところもあるという。
消防署員らを含む住民が行方不明となっていた岩手県山田町では、17日未明までに秋田県から入った救助隊が58人を発見したが全員の死亡を確認した。
一方、岩手県釜石市や宮城県石巻市などでは16日夕から深夜にかけ、道路の開通などにより多数の地区で孤立状態が解消した。釜石港でも17日午前9時ごろ、国土交通省所有の大型船が釜石市の釜石港に接岸。救援物資が荷降ろしされた。