東京電力は15日、地域別に順番で電力供給を止める計画停電を実施した。初日の14日は、想定より電力需要が少なかったため、五つに分けたグループのうちの1グループのみにとどめたが、15日は午前7時ごろから午後9時ごろまで、5グループすべてで予定通り実施した。
計画停電は管内の9都県の契約者を5グループに分け、1回最大3時間程度ずつ電気を止める。4月下旬並みの陽気だった前日に比べ、15日は気温が低く、暖房などの使用が増加。供給能力の3300万キロワットに対し、電力需要が最大3700万キロワットに上ることが見込まれたため、初の全面実施となった。
15日は、前日の約11万世帯を大きく上回る約500万世帯で実施。ただし、東日本大震災で被災した茨城県鹿嶋市などを14日、停電対象としたことに地元が強く反発したことから、当分の間、被災地を対象から外すことにした。また、鉄道各社が14日、列車の運転本数を絞り込み、首都圏の交通網が大混乱したことを受け、15日は鉄道運行用に優先的に電力を供給した。だが、間引き運転は解消せず、通常時よりも激しい混雑がこの日も続いた。
16日は午前6時20分、第4グループから開始。第5、第1、第2、第3の順で午後10時までの間、最大3時間ずつ送電を止める。このうち、午前中の停電を予定している二つのグループは、午後1時50分から、2回目の停電に入る。15日までは一つの時間帯には1グループだけ停電していたが、16日以降は同じ時間帯に2組が停電する場合もある。想定需要が供給を下回る時間帯は実施しない。
一方、東電は15日夜、21日までの計画停電スケジュールを公表した。15~18日までの4日分を14日に発表していたが、周知不足で混乱が続いていることから、政府が、1週間先まで公表するよう求めていた。加藤公一首相補佐官は「(より先の予定が見通せれば)企業や個人にスケジュール調整や生産設備の稼働調整をしてもらえるようになり、迷惑はだいぶ減る」との見方を示した。
平日に比べて需要が落ち込む19日から21日までの3連休も対象にしたことについて東電の藤本孝副社長は「例年の需要を見ると(気温などにより)停電が必要になる可能性があり、計画には織り込んだが、(実施するかは)最終的には金曜日までに決める」と述べた。【宮崎泰宏、青木純】
毎日新聞 2011年3月15日 21時04分(最終更新 3月17日 15時27分)