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東日本大震災:庁舎被災、業務に支障--笠間・高萩・水戸 /茨城

 ◇公民館に窓口 支所倒壊の恐れ--笠間

 笠間市は14日、大震災で建物の一部が損壊する被害を受けた市役所笠間支所(笠間市石井)が倒壊の恐れがあるとして、近くの笠間公民館に臨時窓口を設けて業務を行った。支所の建物内は市民の立ち入りを禁止したが、職員は余震におびえながら、個人情報が詰まった書類整理を続けている。

 70年ごろに完成した支所は3階建てで鉄筋コンクリート製。柱はコンクリートが崩れ鉄筋がたわむ。ロビーに飾られた笠間焼の陶板がはがれ落ち、天井からつるされた丸時計の針が「午後2時49分」を指したままだった。

 「不思議とけが人がいなかった。これで済んでよかったのかもしれない」。中沢良任・地域総務課長補佐(58)は3階を貫くひびを見上げる。資料やパソコンの盗難に備えるため、職員が支所内で寝ずの番をし、余震のたびにあわてて外に避難するという。「もう一度同じ規模の地震が来たら崩れるな」と顔をこわばらせた。

 市内では44人が軽傷を負い、建物2棟が半壊、2130棟が一部損壊した。一部地域では14日も水道が復旧していない。【原田啓之】

 ◇一部業務に限定 壁亀裂や崩壊--高萩

 高萩市は、今回の地震で市役所庁舎の壁が亀裂したり一部が崩れるなどの被害が出た。余震が続けば危険も考えられることから、14日は庁舎内での業務は市民課や税務関係などとした。庁舎内は書類などが散乱して足の踏み場もない課もあり、手つかずの状態。水道などライフラインの復旧が見込めない状態だ。友好都市などを結んでいる各市からの応援も受けている。

 日立市では、電気は徐々に回復している一方、水道の復旧見通しは立っておらず、市役所本庁駐車場など市内6カ所で給水を続けている。

 同市議会は14日の本会議で11年度一般会計予算案など上程された議案をすべて可決した。会期は17日までだったが、「市、議会が一体となって復旧作業に取り組む」として、議決を前倒しした。【臼井真】

 ◇水戸市役所でも建物の壁にひび

 水戸市役所は地震の影響で建物内部の壁にひびが入ったため、住民票発行などの市民窓口業務の部門を隣接する市民会館に移し、業務を行っている。建物の構造自体は問題はなかった。

 市役所庁舎は72年完成。96年の耐震診断では基準を下回る階もあり、建て替えを含む補修を検討していた。管財課によると、窓口が元に戻るのは「今のところ見通しが立たない」という。【山崎明子】

毎日新聞 2011年3月16日 地方版

 
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