【NQNニューヨーク=横内理恵】16日のニューヨーク外国為替市場で円相場は大幅に4日続伸した。終値は前日比1円10銭円高・ドル安の1ドル=79円55~65銭。一時79円56銭と、1995年4月19日以来、約15年11カ月ぶりに最高値を更新した。東日本巨大地震後の原発問題への警戒感から円買いが膨らんだ。
福島第1原子力発電所の事態収拾が難航しているとの報道を受け、問題が深刻化することへの不安心理が拡大。投資家のリスク回避姿勢が強まり、低金利の円で資金調達してリスク資産に投資していた持ち高の解消に伴う円買いが膨らんだ。
欧州連合(EU)委員会のエネルギー担当高官の「原発は事実上、制御不可能」との発言が報じられたことを手掛かりに、投機筋が心理的に大きな節目である80円ちょうどを目掛けて売りを加速。米エネルギー省のチュー長官が福島原発の安全性に言及した発言を手掛かりに米株式相場が下げ幅を広げたことなどもあり、再びリスク回避の動きが広がった。取引終了間際に買いが加速すると、過去最高値を更新した。円の安値は80円83銭だった。
円は対ユーロで大幅に続伸。前日比2円30銭円高・ユーロ安の1ユーロ=110円60~70銭で取引を終えた。原発事故への懸念や米株式相場の大幅下落を受けて、円は幅広い通貨に対して買い戻された。円は一時110円59銭まで上昇し、1月20日以来の高値をつけた。
ユーロは対ドルで下落。1ユーロ=1.40ドルちょうど前後から1.39ドルちょうど前後に水準を切り下げた。リスク回避目的のユーロ売りが広がった。日本の地震の世界景気への影響などで、欧州中央銀行(ECB)が利上げ時期を先送りする可能性が意識されたとの見方もあった。格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスがポルトガルの長期国債を格下げしたこともユーロ売りを誘った。この日のユーロの安値は1.3867ドル、高値は1.3978ドルだった。
スイスフランは対米ドルで上昇した。前日に1ドル=0.91スイスフラン台後半だった水準は0.90スイスフラン台後半となった。リスク回避の動きが広がったことを受け、逃避資金の受け皿となりやすいスイスフランが買われた。
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日経平均(円) | 8,848.77 | -244.95 | 17日 10:29 |
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NYダウ(ドル) | 11,613.30 | -242.12 | 16日 16:30 |
英FTSE100 | 5,598.23 | -97.05 | 16日 16:35 |
ドル/円 | 79.67 - .70 | -1.25円高 | 17日 10:08 |
ユーロ/円 | 110.79 - .86 | -2.20円高 | 17日 10:08 |
長期金利(%) | 1.220 | +0.010 | 16日 15:25 |
NY原油(ドル) | 97.98 | +0.80 | 16日 終値 |
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