2011年 3月 16日
救援物資を一元化に
救援物資を被災地へ効率よく届けるため岡山県が窓口になり、自衛隊に輸送を一元化することになりました。16日、岡山県が立ち上げた東日本大震災の支援対策本部で示されたものです。市町村や民間からの救援物資について自衛隊が輸送を一手に引き受けるというもので、その際、県が窓口となって物資を持ち込む駐屯地を指定します。救援物資をいち早く、効率的に現地に送ることができるようになるということです。県ではあす、各界の代表を集めた会議を開いて協力を依頼するとともにこうした輸送体制を周知徹底することにしています。また県は、今回の被災者に対し岡山市や倉敷市など7つの市と町の県営住宅30戸を提供することを決め、16日から住宅課で受け付けを始めました。住宅には、風呂やガスコンロ、布団などがあり、入居期間は6ヵ月、敷金や連帯保証人は不要で家賃も免除されます。県では、提供できる住宅を増やせるよう現在、調整しています。

岡山県が防災計画の見直し示唆
想定外の被害を出した今回の大震災を受け岡山県の石井知事は県がまとめた地域防災計画について見直しを検討する可能性があることを明らかにしました。岡山県が去年3月にまとめた最新の地域防災計画では東南海・南海地震が連動して発生した場合、マグニチュード8.6、最大震度5強を想定しています。石井知事は国が今後まとめる被害想定を踏まえて防災計画の見直しを検討したいとする一方で、今後、地方側からも懸念される問題点を反映するよう国に求めていくと述べました。

放射線モニタリング 岡山では異常なし
福島県の原子力発電所で放射線漏れが懸念される中、岡山県では現在4カ所で放射線の観測を行っています。現在のところ、数値の異常は確認されていません。岡山市南区にある岡山県の環境保健センターでは国の委託を受け、19年前から放射線を観測しています。鏡野町の3カ所でも独自で観測装置を設置していて、県内4カ所で24時間、観測を続けています。数値は天候によって2倍程度まで変動することはありますが、これまでのところ異常は確認されていないということです。県内で観測された放射線の数値は県と文部科学省のホームページで公開されています。

扶桑薬品 地震で透析液製造フル稼働
岡山県里庄町にある医療用医薬品メーカー扶桑薬品の工場では、東日本大震災で被災した茨城工場の不足分を補うため、緊急の増産体制に入っています。腎不全の患者に人工透析で使われる透析液では全国シェアの50%余りを占める扶桑薬品ですが、東日本をカバーしていた茨城県の茨城工場が被災し、操業がストップしています。これを受けて西日本の生産拠点である里庄町の岡山工場では不足分を補うため、今月12日から透析液の緊急製造を始めました。通常午前8時から午後5時までの操業時間を午後10時までに延長して非常事態に対応しています。茨城工場の復旧の見通しは立っておらず岡山工場では当面国内で使用される扶桑薬品の透析液のほとんどをまかなうことになるということです。